【書評】『すごい貯蓄』くらま(著)・KADOKAWA
100万円を貯められる様になることが全ての始まりである
本書では、老若男女向けに書かれていると主張しているが、基本若い人向けの本であり、読むタイミングは若ければ若いほどいいだろう
そしてタイトルにあるように100万円を貯めることは全ての始まりであり、貯金の基本単位であると主張している
“一生お金に困らない人になれるか、貯められない人のまま貧乏で一生を終えるのか、その分岐点は「たった100万円」にかかっていると私は断言します”
“「お金」に主要科目があるとしたら、一番大切なのは「貯める」という科目です。「貯める」の第一関門は100万円で、そこを通って初めてお金と自分をコントロールする主導権を握れるようになります”
と100万円を貯蓄することがどれだけ重要なのかを熱く主張している
本書の内容も筆者がお金の状態から100万円を貯蓄し、それをさらに増やしていった経緯が赤裸々に描かれており、説得力があり、しかも具体的である
具体的な方法論に関しては本書に譲るが、100万円を貯蓄したことがない方に対してのメンタルへの言及や最短で達成するための方法が豊富に記載されており、機械的に行動し目標を達成することができると思う
そして100万円貯蓄を達成してから500万円、1000万円を貯めるにはどうすればいいかのロードマップが示されており、非常にわかりやすい
小さなことを積み重ねる重要性
“お金を貯められる人の長期視点というのは、どっしり構えて、自分がこれなら継続できると思う心地いい水準を見つけて、習慣と行動に落とし込んでいくということなんです”
“誰にでもできる当たり前のことを、誰よりもやるようにしてください。凡事徹底です”
貯蓄の本とは思えない深い言葉であり、貯蓄も人生も小さなことを積み重ね続けることが重要だということを勉強させてもらった
目標を達成することは、今の自分から目標を達成する自分に変化させることであり、大小問わず覚悟が求められる
そして、その覚悟が本書のいたるところに感じられる
それがこの本が売れている理由だと思う
お金の使い方覚えるのは三代かかる
本書で残念なのは、お金の使い方についての言及がほとんどないことだろう
自分自身が年をとってきたからか、最近身に染みてわかってきたが、お金そのものがあることそのことについてはそこまで重要ではなく、そのお金を何に使うか、どう使うかの方が大事だと思うようになってきた
『白洲次郎一流の条件』(牧山圭男著・宝島社)で白洲次郎はこう語っている
“金をもうけるのは一代でできる。金を失うのも一代でできる。
だけど金の使い方を覚えるのは三代かかる”
正にその通りだと思う
よって貯蓄は本書で身につけて、お金の使い方は別の本で学ぶといいだろう
貯蓄本としては申し分ない
今年から貯金しようと覚悟を決めて、背中を押して欲しい人にはとても良い本である
そして繰り返しになるが、読むなら若ければ若いほど良い本である
ぜひ、一度目を通してみて欲しい