「働きながら資格試験取得を目指すための勉強術」【勉強術】【タイムマネジメント】
社会人のための勉強術~社会人の時間的制約を認識しよう~
「知的労働者が成果をあげるための第一歩は、実際の時間の使い方を記録することである」 P・F・ドラッカー 『経営者の条件』(ダイヤモンド社)
今年こそは資格試験を取得して自分のキャリアに活かしたい、独立したい、あるいは副業したいと考えている社会人は多いと思います。
しかし、社会人として働きながら、国家資格などの自分のキャリアや独立に使える資格をとるのは簡単ではありません。
朝から夕方働きながら、空いている時間で勉強するということは想像以上に困難なのです。
勉強を始めても挫折してしまう、、、そんな方にはぜひ参考にしてみてください。
まず、社会人であるあなたが勉強する上で最初に考えなければいけないことは、どのくらいの時間を勉強に使うことができるのか正確に把握することです。
例えば国家資格の行政書士試験がありますが、勉強時間の目安は800時間と言われています。
新年の目標として設定し1月5日から勉強を開始すると仮定すると、試験本番は例年11月第2週の日曜日なので2024年度で仮定すれば11月10日が試験日となり、試験まで310日あります。
それを800時間で割ると約1日2.6時間、つまり1日当たり2時間30分の勉強が必要な計算になります。
よく考えてみてください。
平日に仕事をこなし、休日は結婚されている方は家族サービスをなどをしている中で1日もかかさず2時間30分もの時間を捻出することは可能なのでしょうか。
正直かなり難しいと考える方が多いのではないでしょうか。
ですから、まず把握するべきは「自分の今の生活の中で1日どのくらいの時間を勉強に費やすことができるのか」であり、その時間をシビアに計算する必要があるのです。
ちなみに僕は1日の行動のログを2週間ほどとって、時間をどのように使っているのか徹底的にそして客観的に計測することから始めました。
どこまでやるかは人それぞれですが、本気で働きながら勉強をして合格するには一度はやってみることをおすすめします。
やったことがなくて今よりも大きい成果をあげたい方はここまでやるべきです。
社会人の時間的制約を克服する方法
自分の行動を記録し見直した上で、例えば1日の勉強時間が1時間30分は捻出できたとします。
しかし、先ほどの行政書士試験の合格の目安の時間で考えれば、1日1時間分足りないことになります。
そういう場合にありがちな間違いが、「土日などの休みに勉強時間と多くとって捻出する」という方法です。
社会人であるならば、休日は心身を休める貴重な時間であり、リフレッシュする時間でもあります。
また、仕事のタスクや計画を立てたり、振り返る時間だったりするのです。
そこに新しい勉強時間を無理矢理入れてしまうと遅かれ早かれその計画は失敗するでしょう。
社会人のための勉強は毎日決まった時間と量をやることが非常に重要であると僕は考えています。
休日だから無理矢理多くの時間を割くことは得策ではないのです。
それではその時間をどう捻出すればいいのかというと、限られた勉強時間の中で2倍の速さで勉強するしかありません。
つまり、勉強内容の質を上げるしかないのです。
社会人の勉強法は時間の長さではなく、勉強の質をあげることがもっとも大事なのです。
それが時間的制約を克服する方法なのです。
勉強の質をあげるための前提条件とは
勉強の内容の前に質をあげるための前提条件があります。
それは、「集中すること」です。
勉強の質をあげる上で最も大事なのはその勉強に対してどれだけ集中できたか、なのです。
全米記憶力チャンピオンであるネルソン・デリスは著書の中でこう語っています。
「記憶は集中力に始まり、集中力に終わる」
『全米記録力チャンピオンが明かすどんなことも記憶できる技術』(ナクスナレッジ)
そして、集中力と関連して環境も当然関わってきます。
スマホをもっていない人はほとんどいないと思いますが、スマホは集中力を大きく下げることが言われています。
勉強するときはスマホを近くにおかないことや、勉強に必要のないものを置かないことを徹底するべきです。
これらをやっていない方はこれを実行するだけで集中力が増し、勉強の質が間違いなく上がります。
勉強は記憶術
それでは具体的な勉強の内容に入っていきましょう。
まずはっきりさせておきたいのは、勉強することは記憶することに他ならないということです。
特に資格試験の合格を考え勉強しているならば、記憶することは必須です。
もちろん記憶以外の応用力も必要な試験もあると思います。
それでも基礎の部分は記憶しないと話しが前に進まないことは周知の通りでしょう。
勉強は記憶術であることから、記憶することにスポットを当てて話しを進めていきますね。
皆さんは普段の勉強の中で記憶する場合はどのようにしてますでしょうか?
記憶は大きく分けて3つの方法があります。
1.見て覚える
2.声を出して覚える
3.書いて覚える
社会人の限られた中で勉強するならば、見て覚える技術を身につける必要があります。
なぜならば、見るのと音読するのと、書くのとでは、情報量のケタが違うからです。
しかし、見て覚えることは弱点もあります。
それは「忘れやすい」ということです。
それを克服する唯一の方法が「繰り返すこと」です。
何回も同じところを見て反復するのです。
それでは何回反復するべきなのでしょうか。
複数の本を読んでみるとだいたい5回~7回読むという意見が多いですが、絶対に忘れたくないなら21回読むことをおすすめします。
『やってはいけない勉強法』著者の石井貴士さんは、本書でこう述べています。
「21というのは、潜在意識は21日で切り替わると言われていたり、タロットカードのザ・ワールド(完璧)というカードが21番だったりと、完全なる世界をつくりあげるための数字だと考えられています」
私も以前営業を教えてもらっていた師匠と呼んでいた方に「習慣化するには21日間連続して続けてみなさい。そうすればどんなことでも習慣化できる」と教えられましたので何か根拠があるかもしれません。
例えばこの実践と行うと仮定すると1冊のテキストを21回繰り返し音読や書くことは不可能であることがわかるでしょう。
読むことでしかできないことは時間的制約からも明らかです。
記憶は回数に比例します。音読を5回、書くことを3回繰り返している間に21回見る方が記憶の効率性は高まることは明らかでしょう。
まずは反復して見て覚える訓練をすること、これが社会人の時間のない中で最大の成果をあげることができる秘訣です。
ちなみにどうしても覚えられないときは音読と書くことをやって覚えることはもちろんOKです。
記憶の定着という意味では目で見て、耳で聞いて、手を使う、これを同時にやることで記憶力は必ず増します。
ただし全てこの3つを使って勉強する時間などあるわけがないので、読んで覚えることをメインの勉強法にしていきましょうということです。
早く読む技法
最後に読むことを勉強を中心にすることで気をつけなければならないことがあります。
それは読むスピードも速くしなければ意味がないということです。
人間は読んでいるとき、心の中で音読をして読んでいます。
そうすると声を出しているスピードと同じなので、それならば声を出して読んだ方がより効果的でさえあります。
つまり、今より読むスピードを早くする必要があるのです。
しかし、スピードをあげる方法は簡単です。
それは、「早く読むことを意識する」ことです。
これだけで2~3倍のスピードで読むことは可能です。
一番いいのは読むスピードを自分で計測して速めていく方法もあります。
限られた時間の中で早く読むことを日常的に意識してください。
他にもいくつかテクニックはありますが、まずは意識することが一番大事なので、また次の機会にまとめてご紹介しましょう。
まとめ
働きながら資格試験取得を目指すための勉強術
1.自分の時間的制約を明確にすること。ルーティーンとして1日何時間の時間があるのかシビアに計測すること
2.勉強の時間ではなく、質をあげることにこだわること。時間などそうそう取れるものではない
3.勉強は記憶術である。記憶力をあげることが社会人の勉強法である
4.最も効率がいい記憶術は反復して読むこと。反復の回数を確保するためには読むスピードそのものを最低2倍~3倍にすること
最後まで読んでいただきありがとうございました。
皆さんの参考になれば幸いです。