「原因」と「結果」の法則
ジェームス・アレン(著)
言わずと知れた自己啓発書の原点ともいうべき一冊。
イギリス人らしく皮肉やユーモアもある文章になっており日本人の感覚にも合っていると思います。
また、読んだらわかるのですが、文章が非常に洗練されています。
つまり、これ以上削れないぐらいに言葉を削ってわかりやすく、かつコンパクトにまとまっていますが、読んで理解するのに非常に時間がかかります。
これは抽象的な視点が非常に多いことがあげられますが、このわかりやすい文章と相まって非常に絶妙なバランスをとっている一冊です。
自分自身を改善するということは、真の意味での自己犠牲を払うということ
つまり原因があって結果があるということですが、これがどれだけ難しいのかということをわかりやすく物語風に教えてくれています。
『人々の多くは、環境を改善することは、とても意欲的ですが、自分自身を改善することには、ひどく消極的です。かれらがいつになっても環境を改善できないでいる理由が、ここにあります。
ここに、悲しいまでに貧しい男がいます。彼は、自分のあらゆる環境が改善されることを願っています。しかし彼は、報酬が少ないということを理由に、仕事をさぼること、つまり、自分の雇い主をだますことを選んでいます。彼は、貧困からはい上がるにまったく値しないばかりか、怠け心、ずるい思い、卑屈な考えにふけり、それにしたがって行動することで、より深刻な貧しさを自分自身に引き寄せつつあります。
ここに、暴飲暴食の結果として深刻な慢性病を患っている、裕福な男がいます。彼は、健康を取り戻すことにはとても意欲的で、そのために莫大なお金をつぎ込んでいます。しかし、自分の欲望は何ひとつ犠牲にしようとはしていません。異常な食欲を満たしたいと願ういっぽうで、健康も手にしたいと願っているのです。言うまでもなく、彼は健康を手にするに値しない人間です。健康に生きるための第一の原則を、まったく学んでいないからです。』
こころにビシビシきますね~
これ以上言葉を増やしても難しすぎ、これ以上言葉を減らしても理解ができない文章
最後にこの本の好きな所をひとつだけご紹介致します。
『人間が達成するあらゆる成功が努力の結果です。そして、努力の大きさによって結果の大小が決定します。そこにはいかなる偶然も介在しません。物質的、知的、精神的達成のすべてが、努力の果実なのです。それらは、成就した思いであり、達成された目標であり、現実化されたビジョンです』
素晴らしい文章です。
人生を少しでも良くしたいのならば読むべき
人生をよくしたくない人はいらっしゃらないと思いますので、どんな方にも読んで学びがある素晴らしい本です。
何度読んでも新しい発見や気づきがあるいわゆる、名著の条件を満たしていると思います。
手に取ったことがないという方はぜひ、一読をお勧めします。
それでは、また!