【囲碁】盤上の死闘
昨日は久しぶりにネット碁を打っていまして、正に死闘でした。
囲碁は陣取りゲームであり、黒番と白番で交互に打っていくゲームですので、黒が陣地を取ったら、白も陣地を取り、最終的にどちらの陣地大きいかで勝敗がつきます。
つまり、囲碁とはバランス感覚の大事なゲームであり、調和のゲームなのです。
「囲碁は形をもって理を示す」
という格言もありますが、囲碁のバランス・調和を端的に表していると言えるでしょう。
ところが、囲碁は調和にならない場合があるのです。
それは石の取り合いです。
囲碁は一定の条件を満たせば相手の石を取ることができるルールがあります。
つまり、陣取りゲームを放棄して相手の石を取るゲームに様変わりすることがあるのです。
それは石の取り合いです。
囲碁は一定の条件を満たせば相手の石を取り、自分の陣地にできるというルールがあります。
ですので自分の陣地が少なく負けてしまう時は相手の石を取ることで自分の陣地に様変わりすることができますので、石の取り合いを挑むことになるのです。
昨日は序盤から正に石の取り合いになりました。
こうなると相手の石を殺すか、自分の石が殺されるかの勝負になります。
(囲碁では石を取ることを“石を殺す“、石が取られない状態になった時を“石が生きる“という表現を使います)
そして、実力が拮抗している相手ほど、死闘になります。
相手が打つたびに刀で切りつけられている様な感覚になるのです。
結果的には一手の差でぎりぎり勝つことができましたが、「肉を切らせて骨を断つ」というところで満身創痍での勝ちとなりました。
打ち終わって頭の中が黒石と白石で埋め尽くされている状態の中で思ったのは、
「やっぱりプロはすごいな」とつぶやいていました。
囲碁のみならず将棋もそうですが、プロの棋士は勝負の世界でお金を稼いでいる人たちです。
勝てば多くを得ることができますが、敗者には何も与えられません。
正に勝つことが自分の存在を示すことができる唯一の手段なのです。
ただゲームで遊んでいるだけでも、同じような感覚を味わうことができるのに、プロはそれが日常であると考えた時に、改めて棋士は厳しい世界であることを身に染みて感じることができました。
勝負の世界の勝者は輝いて見えます。
それは勝者と敗者の明暗がよりはっきりしているからこそ、輝いて見えるのだと改めて思いました。