【書評】『「図解思考」の技術』永田豊志著・中経出版
「図解思考」の入門書に最適
本書は物事を言葉ではなく図解で表現できるようになることを目的としている
本書では「図解メモ」で考えることの対極として「箇条書きメモ」でとしており、その相違点をまとめてある
「箇条書きメモ」の6つの問題点
①言葉をすべて書かないといけない(時間がかかる)
②話が飛ぶと収集がつかない(関係性や構造がつかめなくなる)
③問題点がつかめない、矛盾に気づかない
④覚えられない、記憶に残らない
⑤一度書いたら、そのまま放置。展開しづらい
⑥資料を作るときには、別途図式化しなければならない
一方で「図解メモ」の6つのメリットは「箇条書きメモ」のデメリットと同義である
①言葉を省略できるからスピーディーに記憶できる
②話が複雑でも関係性を理解しやすい
③ヌケ、モレ、矛盾を発見しやすい
④記憶に定着しやすい
⑤後からアイデアを展開しやすい
⑥報告書やプレゼン資料にそのまま転用できる
どうだろう。図解で考えて記録することのメリットは非常に大きいと感じるだろう
この「図解思考」を表現できるようになるというのが本書の最大の特徴である
わかりやすく、基本から応用への練習問題も豊富
本書は「図解思考」ができるようになるための、基本から応用まで練習問題を通じて誰でも身につけることができるようにしている
僕は絵で表現するのが苦手なのでできるかと思ったが、簡単な問題から始めることで少しずつできるようになってきたと思う
本書では仕事をする上でのディスカッションの全てを図解で表現するようにすることが一番上達する方法であるという
もともと箇条書きメモに慣れている状態なのですぐに図解メモの技術を身につけることは難しい
よって本書の最大のデメリットは身につくのにある程度の時間がどうしてもかかってしまうということだろう
しかし、ある程度の時間をかけてでも図解メモの技術を身につけるメリットの方が皆さんにとっても大きいと思う
興味があれば是非、本書で訓練をしてみて欲しい
この類の本では一番初心者向けにまとめられているのでお勧めである