【書評】『どんなことでも「すぐやる」技術』石川和男(著)・Gakken
【本書の読みどころ】
何事も「すぐやる」ことの重要性はわかっている
しかし、その簡単なことが中々にして難しい
そのすぐやる技術を「仕組み化」まで落とし込んでいるのが本書の特徴である
私が本書で今後使おうと思ったポイントを3点ほどまとめておこう
①想定外の災難から立ち直るステップ
すぐ行動ができなくなることの理由のひとつに「想定外の出来事」がある
未来は誰にもわからないので「想定外」のことは当然起こる
それが災難だった場合に、自分のマインドに大きく影響を与え、今まで行動ができていたことが急にできなくなる、誰でもそのような経験はあると思う
その想定内から立ち直るステップというものがあり、それは次の通りだ
ステップ1:「そうくるか」と言って、いったん受け入れる
ステップ2:そのあとに対策を考える
ステップ3:さらに前代未聞の予想していなかった状況を楽しむ
著者はこの3ステップが大事で、この通りに粛々と進めれば、自然と立ち直ることができると力をこめる
②マルチ人間とマルチタスクは違う
様々なことをやって活躍している人をマルチ人間という表現を使うが、マルチタスクと混同してはいけないと著者は語っている
マルチに活動しても、仕事を一つずつ終わらせるシングルタスクを徹底することが大事だと著者はいう
「人間はそもそもシングルタスクに適応しています。同時に複数の仕事をこなすと脳が疲れやすくなり、生産性は40%低下し、注意が散漫になりミスは50%増え、タスクを終える時間も50%増加するという研究結果もあります」
そのためには一つの仕事を終わらせてから、次の仕事をする習慣が必要になる
「完璧を目指すより、まず終わらせろ」マーク・ザッカーバーグ
③「寝る時間」と「起きる時間」を固定する
何かを成し遂げるためには、目標、理由、期限、具体的数字の4つが必要である
そして、目標を達成するのに1日何時間必要かが分かれば、実現可能性がぐっと高くなると著者は語っている
そのために睡眠時間を固定することで、1日何時間何の行動が取れるのかが体感的にわかるようになるメリットがある
人間は未来に対しては楽観的に考えてしまう習性がある
その思い込みをなくすためにも時間管理が重要であり、その第一歩が寝る時間を固定することである
その他、様々な「仕組み化」のノウハウが満載なので、本書で実際に行動をしてみて欲しい
【さらに理解を深めるために】
『結局「すぐやる人」がすべてを手に入れる』藤由 達蔵(著)青春出版社
『時間とムダの科学』大前研一ほか(著)プレジデント社