【書評】『わたしと小鳥とすずと』金子みすゞ著・JULA出版局
【お勧め読者】
小学生前後のお子さんがいる方で童話を読ませたい方
童話を久しく読んでいない方
【本書の読みどころ】
金子みすゞさんの童話集の一冊である
大人が読むことで、童心に返り新しい視点を得ることができる
そしてもちろん、小さいお子さんにもおすすめだ
物事をもう一段深く俯瞰できるようになるのが童話を楽しむ一つのメリットである
【さらに理解を深めるために】
『明るいほうへ』金子みすゞ著・JULA出版局
童話を読むこと
今回は童話を取り上げることにしよう
作者の金子みすゞさんは天才詩人として注目されながらも、26歳の若さで自ら命を断ってしまった著者の作品集である
大人になって童話を読む機会は少ないだろう
しかし、大人になってから童話を読むメリットは大きい
まず、童話は一つの対象に対して深い洞察があり、人の心を奥深くまで見つめられている
つまり、物事を多元的・抽象的・俯瞰的にみることができるのが大きなメリットだ
そして、なにより童心に戻ることができ、心の豊かさを取り戻すことができる
心が疲れたときに、時間をとってゆっくり童話や詩を愉しむ
それも大人の嗜みと言えるだろう
最後に本書のタイトルになっている詩を取り上げて書評と代えさせていただく
わたしと小鳥とすずと
わたしが両手をひろげても、
お空はちっともとべないが、
とべる小鳥はわたしのように、
地面(じべた)をはやくは走れない。
わたしがからだをゆすっても、
きれいな音はでないけど、
あの鳴るすずはわたしのように
たくさんなうたは知らないよ。
すずと、小鳥と、それからわたし、
みんなちがって、みんないい。