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【書評】『スコアをつければ組織は動く』チャールズ・A・クーンラット/リー・ベンソン(著)・ダイレクト出版

 
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【仕事をゲーム化する】

本書はスコアセービングについての原則と実践をまとめたものとなっている。

著者はスコアセービングで成果を上げるには何が必要かを20年近く研究、実験、観察してきており、本書はその集大成という位置づけであるという。

本書は仕事をスポーツやゲームに例えてわかりやすく説明しており、スコアセービングについて、こう語っている。

「ゲームでは、スコアを知り、スコアを計算することが最も重要である。そしてゲームでは、目標に向かってどのように協力し、取り組んでいけばよいかが、はっきりとしている。だが、何よりも重要なのは、『どうすれば勝てるか』が分かる点である。ゲームでは、勝つために必要なことが明確に示されている。

私たちに必要なのは、ゲームで非常にうまく機能しているスコアキーピングを職場にも取り入れて、成功するには何が必要かを明確にすることである」

それではスコアキーピングについての中身をみていこう。

【スコアキーピングと測定との違い】

スコアピーキングのポイントとして、測定と何が違うのかということを理解すればわかりやすい。

著者はその違いをこう述べている。

「スコアキーピングと測定との大きな違いは、本来、スコアキーピングがポジティブな作業であるのに対して測定はネガティブな作業、という点にある」

私たちの社会はすぐに「測定」をしたがる社会である。

つまり、職場で測定されるのはミスばかりであるという事実なのだ。

逆にスコアキーピングはプラスの面、ポジティブな面が重視される。

よい面を伸ばすこと、それは私たちの望んでいることであり、ここがスコアキーピングの大きなポイントとなっている。

【スコア管理のノウハウ】

実際にスコアキーピングを実践していく上でのポイントが3つあるので簡単にご紹介しておこう。

1.時間管理

スコアキーピングをするにあたり、スコアを記録を続けることが不可欠である。スコアをつける時間を毎日確保すること。

2.ポジティブな面に目を向ける

さきほどの測定との違いでも取り上げたが、スコアの記録する事項はポジティブなものでなければならない。よい点に目を向けてそれに力を入れていくこと。

3.優先順位

スコアに記録するのは多すぎてもいけない。優先順位の高いもの、上位5つに的を絞ること。

【勝者の数を最大にするシステムが最大の成長をもたらす】

著者は本書でこう語っている。

「私たちに必要なのは、まだ平均には達しないものの、この1年の実績の伸びが最大の人を見つけだして称えることである。だが、それにはまず、勝者の数を最大にするシステムを導入しなければならない。

勝者の数を最大にすることは、最大の成長を遂げるということである。」

勝者の数を減らし、敗者を増やすシステムでは機能しないことを著者は言っている。

これは様々な企業でも適応できる考え方である。

【本書の所感】

今回はスコアピーキングについての本を取り上げた。

興味はもったが実際に実施するためにどうすればいいのかという疑問は当然あるかと思う。

しかし、本書では実際の具体的なノウハウまでまとめられていない。

具体的な事例はその職場で千差万別であり、その都度スコアキーピングの内容も変わってしまうからである。

それでもスコアピーキングの考え方は本書で学ぶことができるので、会社組織でももちろん個人でも応用可能だ。

最近、僕は自分自身のデータをとることを毎日の日課としており本書は非常に参考になったし、スコアをつけることに対する自信にもつながった。

興味のある方はスコアキーピングのノウハウを活用してみて欲しい。

【さらに理解を深めるために】

『時間最短化、成果最大化の法則』木下勝寿著・ダイヤモンド社

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