【書評】『ダン・S・ケネディが教える小さな会社のためのマーケティング入門』ダン・S・ケネディ(著)・ダイレクト出版
【本書の読みどころ】
本書の最大のポイントは「小さな」会社のためのマーケティング入門書であるということである
マーケティング本のほとんどは中~大企業または大きなマーケット全体を対象としたものを前提としている
もちろん役には立つのだが、実用性という意味では弱くなる
一方で本書は、個人事業や小規模企業のためのマーケティングに特化しているのが最大の特徴となっている
実用性が高く、すぐに使えるマーケティング手法が満載である
ここでは本書の大トロの部分である2つの項目、すなわち「本書の対象とする範囲」と「本書マーケティングの最重要事項」についての簡単にまとめておこう
本書の対象とする範囲について
本書の対象の方々は以下の通りである
「この本が対象とするのは、オンライン上の店舗ではなく実店舗によるビジネス、つまりレストラン、歯科医院、会計事務所、葬儀場といった、店やショールームやオフィスのあるビジネスを営んでいる人々だ」
本書マーケティングの最重要事項
本書では、屁理屈なしのルールとして10個のルールを順守することを前提としている
ルール1 つねに1つ以上のオファーをする
ルール2 相手がただちに行動を起こさずにはいられないようにする
ルール3 どのような行動をすべきかわかりやすく指導する
ルール4 追跡と測定を行う
ルール5 運よくブランドを構築できれば儲けものだが、ブランドはあくまでも副産物に過ぎず、その構築のために金をつぎ込むべきではない
ルール6 フォローアップを行う
ルール7 漠然とした誇大広告ではなく、説得力のある宣伝文句を使う
ルール8 概して、“通信販売広告”に似たものにする
ルール9 結果がすべてを決める。議論の余地はない
ルール10 意志が強く規律に厳しい人間になって、少なくとも6ヵ月間はダイレクト・マーケティングの厳格な習慣に従ってビジネスを続ける
以上である
最後にマーケティングの習得の秘訣もまとめておこう
「1日ほんの1時間でいいから何かに専念すること。そうすれば、それが何であれ、たいてい1年から長くても3年のうちに世界レベルの専門家になれる」
かなり実用性と即効性に富んだ内容であるので是非、参考にしていただきたい
【さらに理解を深めるために】
『売れるもマーケ 当たるもマーケ』アル・ライス/ジャック・トラウト(共著)新井喜美(訳)・東急エージェンシー