【書評】『デジタル対面営業』ダグ・ディビトリー(著)・ダイレクト出版
【学ぶべきものは限られている】
本書はコロナウィルス蔓延から普通になったデジタルを活用した面談についての書籍だ。
内容的に期待していたのだが、オンライン面談の内容自体は2017年出版の本ということもあり、課題としてあげているところも現在ではTeamsやZoomを使えば解決できているものばかりなので新しい知見は特にはなかったという印象だ。
一点僕が役に立ったのは「新しい顧客との信頼関係を築くための問い」という箇所である。
今回はこの個所を取り上げさせていただこう。
【新しい顧客との信頼関係を築くための問い】
「顧客によるソーシャルサーチ」
・顧客が、あなたやあなたの会社についての情報を得る手段はいくつあるか?
・顧客が、自分の必要とする適切な情報を見つけ出すまでに、どのくらい時間がかかるか?
・顧客は、あなたの個人的なプロフィール情報と、ビジネスでのプロフィール情報の両方を見つけられるか?
「社会工学的コンタクト」
・新たな顧客とラポール(訳注:相手と心が通じ合い、互いに信頼し、受け入れている状態)を築くために、どのくらい時間がかかるか?
・問い合わせからアポイントメントへの顧客コンバージョン率(訳注:問い合わせのあった顧客のうちアポが取れた顧客の割合)は?
・セールススクリプトが特定の顧客層向けに微調整されているか?
「仕事上の知り合いからの紹介」
・過去のクライアントや顧客に紹介を頼むことはどのくらいあるか?
・過去のクライアントや顧客から紹介してもらうことはどのくらいあるか?
・見込み客を紹介してもらう手段はいくつあるか?
「価値の社会的共有」
・あなたの知的資産はアクセスしやすいか?
・最初の要求があってからデジタルコンテンツ・ライブラリーを共有するまで、どのくらい時間がかかるか?
・デジタルコンテンツ・ライブラリーはモバイルデバイスで使いやすいか?
「レビューによる社会的承認」
・推薦や支持を集める手段はいくつあるか?
・顧客の何%が、あなたのパフォーマンスについて推薦やレビューを書いてくれるか?
・レビューには、具体的な取引のメリットや、取引で使用した方法について詳しく書かれているか?
以上である。
こちらはチェックリストとしても使えるし、自分の課題に対してデジタルも積極的に取り入れて自分の強みを強化する指標にもなると思う。
是非参考にしていただけると幸いだ。
【どんな本でも役には立つが、皆さんはより良質な本を読もう】
本書はデジタル対面営業を取り扱った書籍をご紹介したが、内容的に学ぶところが少なかった。
逆に言えば現在のデジタルの進化の速さを思い知ることになったと思う。
書籍は全く学べるところがないという本はわずかだが非効率でもある。
より良質な情報や知識がある書籍を読む必要があると改めて教えてもらった。
今年中は様々な書籍をありのまま紹介することを心がけているためこのような本も紹介していくが、来年からは良質な書籍を厳選してご紹介できるようにしていこうと思う。