【書評】『プロフェッショナルセールスマン』神谷竜太(編著)・プレジデント社
【取り入れられるところは積極的に自分のものにすべし】
本書はプルデンシャル生命のセールスマン甲州賢の伝説をまとめたものになっている。
まとめたのが本人ではないのは、甲州さんは42歳という若さで亡くなっているからである。
本人が直接まとめたものではないが、本書を読めば伝説のプロフェッショナルセールスマンであることに対して疑うことはないだろう。
むしろ天才の部類に入ると僕は思っている。
全てを真似することは不可能に近いが、取り入れるべきことや気づきは多くあると思うので、一人一人が参考になったところを取り入れていただければよいと思う。
ここでは、僕が特に学ばせていただいたことを5つ取り上げてさせていただき書評に替えさせていただく。
甲州賢さんの凄さは十分伝わるだろうと思う。
1.準備について
・プレゼンの準備は、当日にどんな展開になっても対応できるよう、十六種類ものシートを用意していた
・一人ロープレで1問1答をテキストとして書き起こしプレゼンの最初から終わりまですべてイメージできるまで続ける。これをやることでプレゼンが怖くなくなる
2.レスポンスの早さ
・メールは当日のうちに返信する
・送付を約束した書類は遅くても二日後、早ければ翌日に届くようにする
・電話対応は即やること
レスポンスについては甲州はこう語っている。
「今日できることを明日に回す行為はNGである」
3.メンタルブロックについて
・メンタルブロックはセールスをする側に限ったものではなく、顧客もメンタルブロックを持ってしまうことを忘れないこと。顧客のメンタルブロックまで考えた商談が必要である
自分自身のメンタルブロック克服であがいているうちは、到底、顧客のメンタルブロックまで気が回らないものである。だから、甲州はこう言っている。
「メンタルブロックがあるうちは、まだまだ三流」
4.クロージングについて
商談のクロージングについて、甲州は次のような言葉を後輩たちに語っている。
・結論を求めることを恐れない。白黒をはっきり付けられれば、次にやるべき行動へと進むことができる
・クロージングはすぐすること。いま、意思決定を求めること。なぜなら、相手にとっていい提案だから。本当に「フォー・ユー」の気持ちがあればできるはず
・生命保険や販売枠や締め切りのない商品だからこそ、クロージングはしっかりとやらなければならない
5.心に残った言葉
「自分が変わらなければ、マーケットは変わらないぞ」
「保険屋が、保険以外のことを話すところに付加価値が生まれる」
【さらに理解を深めるために】
『営業という生き方』中村 信仁(著)エイチエス株式会社