【書評】『マネーの公理』マックス・ギュンター(著)・日経BP社
株式投資の公理ではない
本書はお金をどう増やして、維持してくかについてまとめられたものである
内容はほとんどが株式投資に関するものであるが、著者が株式投資を選択していただけのことであり、お金についての心構えを説いた本である
株式投資の本として読むのはあまりにも勿体ない
お金に関わりのない人生はないように全ての人が学ぶべき要素がある本であり、投資本のジャンルで言えば一回は読むべき本である
自己コントロールの重要性
本書が名著の一つとしてあげられるのは、ギャンブルに関しても多くの言及があるところだ
よく投資と投機の違いを取り上げ、投資はギャンブルではないという論調が多い
しかし、著者は本質的に違いなどないと言っている
“「すべての投資は投機である。唯一の違いは、ある人はそれを認め、ある人はそれを認めないことだ」”
を引用している
全ての投資が投機であるという前提に立った上で一番重要になるのは、「自己コントール」である
本書では投機で自己コントロールが保てなくなる事例を数多く取り上げ、それに対する対応策を惜しみなく公開している
人生も生きていれば様々なことがある
自分をコントロールできなくなる場合もあるだろう。その対応策としてもこの公理を学ぶ価値は大きい
出口戦略と損切り
最後に本書を学ぶ価値があるのは、出口戦略と損切りについて多くのページを割いている所だろう
投機において、出口戦略と損切りは重要な肝である
それに対する言及を多く割いている本書は価値が高い
逆にいえば、出口戦略と損切りについて言及のない投資本は読む価値がないので気をつけて欲しい
是非、本書で「マネーの公理」を学んで欲しいと願う