【書評】『モレスキン「伝説のノート」活用術』堀正岳 中牟田洋子(著)・ダイヤモンド社
【モレスキン好きのためのノート活用術】
フランスにて古くから愛用されてきた黒革のノートが原型とされ、丈夫な造りと撥水性の高さから、芸術家や作家の間で愛用されてきたのがモレスキンである。
本書を読む理由として著者はこうまとめている。
「本書はモレスキンノートを利用して、あなたの仕事を、生活を、そして人生の大切な記憶をのーとの中でとらえる、新しいライフスタイルを提案する本です」
文房具好きならモレスキンは避けることのできない王道だ。
簡単に本書の内容を覗いてみよう。
【デジタルとアナログの使い分け】
現在はデジタルの進化が顕著である。
スケジュールなども全てスマホで管理している方も多いと思う。
そんな中でノートに書くというアナログを使う理由はどこにあるのかという疑問が皆さんもあると思う。
その答えを本書ではわかりやすく説明してくれている。
「私たちの頭な、デジタルツールの中よりもずっと多様で未整理な場所です。そこでは一瞬のひらめきや未完成の落書きが、アイデアとなって育つのを待っています。外からやってきた情報について考え、発想を拓いていくためには、いったんデジタルの世界からアナログの世界に場を移すことが必要である」
記録するだけならデジタルツールの方が優れているが、それを活用するにはいったんアナログに落とすことが効果的で、そのためにノートは重要であるというのが著者の考えだ。
アナログのノートが重要であることはわかった。ただ、デジタルも重要であることは明らかだ。その使い分けはどうすれば良いのだろうか?
その答えにも言及がされており、私は非常に納得できたのでご紹介しておこう。
『「アナログツールがいいのか、デジタルツールがいいのか」という二者択一の議論もたびたび見かけますが、結論はいっこうに出ないようです。しかし、こうした質問や議論は、前提に問題があるのではないかと思っています。「日々のことを記録するのにどのツールがいいか?」という考え方では、選んだもの以外のツールは排除されてしまいます。そして紙のノート・手帳であれ、iPhoneやiPadであれ、完璧なツールは今のところありませんので、それがカバーできないウィークポイントが必ず出てきてしまうのです。そこで、問いをひっくり返す必要があるのです。それは「どこでどのツールを使えば、日々のことをすべて記録できるか?」という問いです』
つまり、記録することが目的であるから、自分の状況に応じてベストなツールをその都度選べばいいということになる。
そして、記録した情報は様々であることから、アナログとデジタルとの情報の統合・共有は別にやるべきである。
それがアナログとデジタルの使い分けの答えである。
【モレスキンノート活用のポイント】
それではいざノートに情報を記録しようと思ったとき、何を記録すればわからないという悩みもあるだろう。
わざわざノートに残す情報なのかを考えてしまい、ペンが進まないという方も多いのではないか。
その一つの答えを本書からみてみよう。
『そもそも何を書き留めるのか?という疑問の答えは簡単です。「忘れたくない」と思うようなことをすべて書き留めればいいのです』
非常に単純だが重要な考え方である。書き留めるものは自分が重要だと思ったこと、つまり忘れたくないもの全てなのである。
具体的に何を書き留めるかという例として本書では以下のことがあげられている。
・日々の出来事
・タスク・スケジュール
・読書メモ、勉強ノート
・アイデア、思いつき
・思い出
・それぞれに感情も記録するとなお良い
となっている。
参考にしていただけると幸いだ。
【モレスキンノート活用のノウハウ】
その他本書では、モレスキンノートの具体的な使い方、ノウハウが詳細にまとめられている。
また、デジタルとの融合でEvernoteを活用したノートのデジタル化についても言及しているので参考にしていただきたい。
シチュエーションとしては、「ビジネス活用術」「生活活用術」「DIYカスタマイズ術」の3つについて活用のヒントをまとめている。
ノート活用術としても具体的で優秀なので、ノート活用に興味のある方は是非参考にしていただきたい。