【書評】『上流思考』ダン・ヒース(著)ダイヤモンド社
お勧め度:★★★☆☆
読みやすさ:★★★☆☆
面白さ:★★☆☆☆
読者:自分の思考が狭くなっていると感じている人、もっと深い思考を身に付けたい人
コロナ禍にこそ改めて考えてたい「上流思考」
上流と言われると上流階級の人と勘違いしてしまいそうなタイトルだがそうではない。
川の上流というイメージで物事の根本を考えるというイメージだ。
著者は「上流思考」を以下に定義している。
「問題を未然に防ぐための活動」
「問題による被害を計画的に減らそうとする活動」
簡単に言えば全体のことをもっと考えようということだ。
現在はコロナ禍の真っ盛りであり、行動自体が制限され、無意識に行動範囲が限定されている人が多いと思う。
行動が制限されることで当然考え方も狭くなってしまう。思考が単純化してしまう。
つまり、より短期で、より簡単に、より確実なものを選ぶ傾向が強まるということだ。
長期的な視野、考え方の重要性を改めて教えてくれる一冊と言える。
「上流思考」を身に付けるには?
上流思考はもっと根本的なことを考えることの重要性を説いているので、確実に少数派に入ることになる。
多数派の考え方に影響されないようにする必要があるし、実際の実現のためには多数派からの協力も必要になる。
言葉では簡単だが実際に実現する過程はそんなに簡単ではないことは理解できるだろう。
著書では、それを実現するために「検討すべき7つの質問」と「乗り越えるべき3つの障害」としてまとめられている。
それぞれの事項を1章としてまとめており、事例も豊富にあるので理解しにくい所は事例も読み、理解できるところの事例は読み飛ばすのがいいと思う。
この本を読んで感じたこと
上流思考は人間が生きる上で当たり前である、「平和・安心・安全」という目に見えない結果を作っているのは、目に見えていない人たちの努力があることを教えてくれた。
特に目に見えない人たちの活動や行動を考え、気づいてあげて、賞賛できるような思考を身に付け、またそういう人間になりたいと思った一冊だ。
是非、一読をお勧めする。