【書評】『人生の「質」を上げる孤独をたのしむ力』午堂登紀雄(著)・日本実業出版社
ポジティブな孤独力を育む
本書は「孤独」についてがテーマである
孤独というとマイナスがイメージを持つ方も多いと思うが、本書は積極的な孤独、ポジティブな孤独を推奨している
この本を簡単にまとめるとこういうことだ
人生の質を上げ、楽しむためには自分自身を最大限大切にすることである
そして、その最良の方法が孤独になる時間を作ることである
「孤独」のメリットとその方法
「孤独」のメリットは主に3つの観点からまとめられている。それは「人間関係」「価値観」「行動」である。
孤独になる時間を積極的に取ることにより、人間関係を改善し、自分自身の価値観を構築し、行動を積極的にさせることができるということだ
本書では上記の項目をかなり深くまで考察されているので興味のある方は確認してみて欲しい
孤独力を高める方法は「内省」と「読書」だ
「内省」と「読書」については方法論としてわかりにくいので簡単に補足しておこう
「内省」
ひとりで自分と対話すること。具体的には内観であり、自分の「内」なる心の動きや感情を「観察すること」が第一歩となる。特に「出来事→感情→思考→行動→結果」というサイクルを意識する
「読書」
読書を通じて、社会を計測する基準や枠組みをたくさん持つことにより、計測基準が多くなり、思考は柔軟に、心は穏やかにすることができる
つまり読書をすることで、物事をとらえる評価基準や枠組みを理解し情報処理能力をあげ、自分の身の周りで起こる出来事や変化に対する恐怖心や不安感を減らす効果があるということだ
また著者は読書のジャンルとして「経済・法律・健康」の3つのジャンルをお勧めしている
この3つは直接自分の生活に密接に関わるものであり、効果も高く、結果も早く実感できるのがその理由だ
孤独の時間をとることで自分の心のバランスをとる
僕自身も孤独を苦に感じたことはないし、むしろ積極的に孤独になる時間を取っている人なので著者の話の理解は早かったし共感できた
ただ、孤独が好きな人には当たり前の内容の繰り返しに感じた
反対に孤独が苦手な人にはこれ以上なく、孤独についてのメリットを深堀してくれているので大変心強いだろう
この著書の最後の章には家族というテーマがある
本書の「孤独」というテーマからは対極にあるものだが、あえて取り上げている所に著者の家族への並々ならぬ思いを感じた
そして、家族を持っている方に対しても「孤独」は両立できるものであり、家族がいる人にこそ「孤独」の時間を取って欲しいとの思いなのだろう