【書評】『㊙人脈活用術』ボブ・バーグ(著)・ダイレクト出版
【自分1人の力で本物の成功を手に入れた人間は、いまだかつて1人もいない】
本書は人脈活用術の中でも紹介を介して人脈を広げることを想定したものとなっている。
つまり、フルコミッションの営業などの方はど真ん中といったところだ。
紹介で人脈を増やしていくことに対して不変の法則がある。それは、
「ほかの条件がすべて同じなら、人は知り、気に入り、知っている相手に仕事や“紹介”を回す」
つまり、本書の一番のテーマと目的は、知り、気に入り、信用している関係の作り方を紹介することである。
本ブログでは、「人脈を増やすヒントや習慣」そして「人脈を広げる具体的方法」について簡単にみていこう。
【人脈を増やすヒントや習慣】
まず人脈を増やすヒントとして著者はこう語っている。
「お互いに利益のある関係を作れそうな人と確実に出会う方法として、「隣接業種で働いている人」とコンタクトを取ることだ。」
灯台下暗しといったところだが、本当に必要な人脈は近くにいるという証明でもある。
そして人脈を増やす習慣として、「小さなことをきっちりこまめにすること」を取り上げている。
「皮肉なことに、礼状を書くといった取るに足らない習慣が、成功する人とそうでない人を分けているように見える。理由はまず、そこまでまめな人がほとんどいないから。そしてもう1つは、小さなことをきっちりやる、それ自体が彼らの習慣なのであって、こまめにお礼を言うのは、無数の『小さなこと』のほんの1つにすぎないからだろう。」
マメな人は性格ではない。習慣である。
そして最後に人脈つくりのポイントをメモがわりにまとめておこう。
「与えていれば、常に見返りが(それもたいていは、与えたのをはるかに上回る見返りが)得られる。これは普遍の法則である。」
「どんなときでも、受け取る『金銭価値』以上の『利用価値』を与えなければならない」
「大いなるパラドクス=純粋に与えるのが大好きだから与えていれば、見返りは自然とやってくる。ところが見返りを得る“ため”だけに与えても、法則はうまく働かない」
【人脈を広げる具体的方法】
人脈を効果的に広げる方法として以下の4点に特に注力するべきだ。
1.紹介
紹介を得るのに一番重要なことは「あなたが欲しい見込客の特徴を相手にきちんと伝えること」である
2.電話営業
古典的な方法だが、時間の効率性やアポを取れれば確実に話を聞いてくれる利点がある。スマホがメインになっている昨今では同じ方法では通用しない可能性は高い。
しかし、本書のノウハウは他の媒体でも応用可能である。
3.業界誌への掲載
大きな業界誌である必要はない。むしろ小さいコミュニティーの方が効果的な場合がある。
4.メルマガの活用
これはわざわざ記載する必要はないだろう。今でも協力なツールの一つである。
本書ではそれぞれに詳しいノウハウがまとめられており、その他の方法もかなりのページを割いている。
参考にしていただきたい。
【本書を読んだ感想】
本書は人脈活用術というタイトルであるが、人脈を作るところから自分のビジネスに活用するまで詳細にまとめているのが特徴である。
すこし古い本ということもあり、現代に合っていないところも多いが、なぜそういう行動をするのかという理由もきちんと記載されているため応用は可能である。
そして、全体を読んでみて人脈は努力という行動の成果でしかないと強く感じた。
人脈は一朝一夕でできるものではない。
ただ、正しい考え方と正しい行動を取れば確実に人脈は作ることができる。
それを本書は教えてくれている。
最後に本書に第30代アメリカ合衆国大統領のカルビン・クーリッジの言葉を取り上げている。
それを最後にご紹介しよう。
“粘り”
「世の中に、粘り強さに勝るものはない。
才能ではだめだ。才能があっても、成功を収められない人はあまりに多い。
天才もだめだ。一生報われない天才もよく聞く話だ。
教育もだめだ。教育を受けても、世間には多くの落第者がいる。
「頑張ろう」。この標語が、いつも、いつまでも、人類の問題を解決するのだ。」
【さらに理解を深めるために】
『一生モノの人脈力』キース・フェラッジ(著)ランダムハウス講談社