【書評】『会社の数字の使い方』小山昇著・KADOKAWA
【お勧め読者】
数字に強くなりたい方
中小企業の経営者の方
P/L・B/Sの実践的な数字の考え方を学びたい方
【本書の読みどころ】
株式会社武蔵野の代表取締役である小山昇が会社の数字の考え方や数字からどう経営に生かしていくのかを、自社の活用例から解説する実践書
小山氏の本は全てが実践であり立証されていることをまとめていることから、即実践できるノウハウばかりなので非常に学ぶことが多い一冊
【さらに理解を深めるために】
『数字は人格』小山 昇(著)ダイヤモンド社
『小山昇の実践ランチェスター戦略』小山 昇(著)あさ出版
会社のデータの使い方のノウハウが満載
本書は会社の数字・データの活用方法を考え方から実践ノウハウまで幅広くまとめた一冊となっている
しかも、内容は自社の実践ノウハウとなっており実証されたものであることが非常に学ばせてもらえるし、本書の価値をさらに高めている
本書で小山氏は「ほとんどの日本の社長は自社の数字をみていない」と断言している
だからこそ直観ではなく数字で物事を判断し、経営に生かす重要性を本書で訴えたいのではないかと思う
経営もギャンブルも「数字」に強い人が勝つ
過去のデータや実績から物事を判断する重要性を考えてもらうために、経営とギャンブルの関係をまとめた章が個人的には面白かったので簡単に取り上げたい
まず、小山氏は経営とギャンブルの共通点が多いことを指摘している
【経営とギャンブルの共通点】
・状況をつぶさに観察する
・相対評価と絶対評価を組み合わせる
・仮説を立てて、検証する
・PDCAサイクルを回して、勝率、確度、精度を高める
・人間の真理を本質的に見抜く
・儲けることより「勝つこと」を重視する
・全勝はありえない(失敗・敗戦の中から学ぶ)
以上の共通点から小山氏はこう本書で語っている
「経営もギャンブルも、『運に頼らず、過去のデータや実績から判断する』『数字・データをもとに、どうすれば、どうしてを検証する』ことが勝ち(黒字)につながるのです」
経営者でなくとも数字に強くなることが重要であることがよくわかる実例だと思った
もちろん、経営で避けることのできない、B/S・P/Lの考え方、見方、改善方法もしっかりまとめられている
数字に明るくなる訓練にもなるので、是非一度読んでみて欲しい
誰でも明日から使える・応用できるノウハウが満載である