【書評】『因依唯識』無能唱元著・致知出版社
【本書の読みどころ】
「あらゆる因縁は、ただ意識をもとにして生ずる」
本書は引き寄せの法則をアラヤ識という概念を用いて解説した一冊となっている
最近引き寄せの法則関連はかなり幅広くアンテナを張っているのだが、昔に私の師匠と言える人からもらった本である
その時は読んでもなるほどね、ぐらいにしか考えていなかったが、今読むとものすごい深いことが示されていることに驚きを隠せなかった
この本が昔の自分と比べて違う捉え方をできたということは、自分自身もそれだけ成長したんだと思う
「人は考えた通りの人間になる」
この法則をわかりやすく解説したものが本書であるが、この本の特徴としてその具体的な事例を多く入れていることが素晴らしいところだ
実際の人物の経験談など多くの実例が示されている
また、第四章には自己改造法という章があり、ここでは具体的な訓練についても様々な方法が書かれており正に教科書そのものである
【さらに理解を深めるために】
『「原因」と「結果」の法則』ジェームス・アレン(著)サンマーク出版
『「量子力学的」願望実現の教科書』高橋宏和(著)SBクリエイティブ
アラヤ識とは、インドにおいてほぼその全容がととのえられた膨大な経文である『大乗仏典』にまとめられているもので、簡単にいえば潜在意識の箱のようなものである
人間の願望は潜在意識のアラヤで熟成され、それが成就したときに願望達成として現実の世界に姿を現すということである
その使い方や注意点、行動をまとめたのが本書となっている
詳しい内容は本書に譲るが、今の状態はあなたが望んだとおりになっているということだ
よって、今のあなたが望んだとおりになっていないのであれば、望んだとおりにならない原因があるということであり、その原因を深堀し自分の望む状態に戻すことができるというのが著者の主張であり願いでもある
私が一番感銘を受けたのは、
「自分の中に否定的な液体がいっぱいになっていたとしても、希望の小石をたえまなく投じることにより、いつか不定的な液体が全てなくなり希望の小石で埋めることができる」
という置換の法則の内容である
これは自力で動かせぬ運命は存在しないということを意味しており、全ての人に勇気をもらえる内容だと思う
とてもよい良書なので是非一度目を通してもらいたいと思う