【書評】『売れるもマーケ 当たるもマーケ』アル・ライス/ジャック・トラウト(共著)新井喜美(訳)・東急エージェンシー
【本書の読みどころ】
本書のデザインだけで判断すると、堅苦しくなく面白そうだけど内容はどうなのかと思ってしまっていたが、それは全くの間違いだった
むしろ、マーケティングを学ぶなら何をおいてもまずこの本から学ぶべきマーケティングの名著であると思う
内容としてはマーケティングの法則を22に分けて解説を加えているものなのだが、文字が大きく、マーケティング特有の専門用語がほぼなく、具体的な現存する会社の事例が豊富に取り上げられている
つまり、わかりやすく奥が深い本といえるだろう
マーケティングを学びたいのならば本書を手元においておくべきだが、今回は私が特に勉強になった重要だと思う部分を簡単にご紹介させていただこうと思う
マーケティングの本質
マーケティングとは、知覚をめぐる戦いであって、商品をめぐる戦いではない
マーケティング法則「一番手の法則~一番手になることは、ベターであることに優る~」
マーケティングの基本的な課題は、あなたが先頭を切れる分野を創造することである
他に優っていることよりも、先頭を切ることのほうが大切なのだ
最初に顧客の心に入り込むことのほうが、最初に入り込んだ商品より自分の商品の方がベターであると人に納得にさせることよりもはるかに容易なのである
マーケティング法則「カテゴリーの法則~あるカテゴリーで一番手になれない場合には、一番手になれる新しいカテゴリーを作れ~」
たとえ顧客の心に最初に入り込まなかったとして、希望を捨ててはいけない
一番手になれる新しいカテゴリーを見つければいいのだ
それは考えるほど難しいことではない
私が面白かったマーケティング法則その1「二極分化の法則~長期的に見れば、あらゆる市場は二頭の馬の競走になる~」
市場三番手が一番危険であるということ
成熟産業にあっては、第三位というのは、維持するのが難しいポジションなのである
私が面白かったマーケティング法則その2「製品ライン拡張の法則~ブランドの権威を拡げたいという抗しがたい圧力が存在する~」
多くの会社にとって、製品ラインの拡張は安直な打開策である
いかがだったろうか
これだけ読んでも本書の面白さが伝わると思う
マーケティングを一から学ぶならまず本書から入るべきだ
本の見た目に騙されないようにしよう(内容を考えるともっと何とかならなかったのかとも思うが)
【さらに理解を深めるために】
『80対20の法則』リチャード・コッチ(著)TBSブリタニカ