【書評】『成し遂げる力』永守重信(著)・サンマーク出版
日本を代表する経営者の理念が詰まった書
本書は日本電産会長であり、創業者である永守重信氏の著書であり、永守氏の半生を綴ったものである
一代で“兆円企業”に成長させた手腕と、その苦悩を余すところなく取り上げている
この本が勉強にならないわけがないだろう
母親の影響は大きい
本書を本で感じるのは母親の影響だ
永守氏は母親の忠告や教えられたことを忠実に守っている
本書で最も強調しているのは「常に1番を目指す、1番にこだわること」である
永守氏はこう本書でこう語っている
“そもそも、一番をめざすという強い心を私に植えつけてくれたのは、母であった”
また、自分で会社を興す時に母親は強く反対したそうである
最後には母親が折れることになるのだが、ここで1つの約束を交わしている
“「どうしてもやるというのなら、人の倍働くと約束してくれるか。私は人の倍働いてきたから自作農になれた。人の二倍働いて成功しないことはない。倍働きなさい」”
永守氏は創業以来、この教えを一貫して守ってきたと語っている
子どもは母親の影響を良くも悪くも大きく受ける
母親は子供にとっていつでも偉大だ
いまは「一番」が“一人勝ち”する時代
「常に1番を目指せ」「1番以外は全部ビリ」など、人によってはそこまでしなくてもいいのではないかという人もいらっしゃると思う
私も1番になることだけがすべてではないのではないかと言いたい
しかし、永守氏は現在の経営の世界は1番ではないと到底生き残るのことはできないという実体験にもとづいている
“いまではシェア一位が、全体の六割以上の利益をもっていってしまう。二位が残りの半分をとってなんとか利益を絞り出せるが、三位になるとやっとのことで収支トントン。それ以下は赤字に陥ってしまうのが現実だ。
勝ち組と負け組などという生やさしいものではない。もはや圧勝組と惨敗組に鮮明に分かれてしまうのだ”
と本書で訴えている
過去の歴史を振り返ってみても、もっとも一番の価値が増している時代とみることができるだろう
僕たちはそれを胸に刻む必要がある
努力の重要性を忘れかけた時に読み返す本
この本を読んで、努力の重要性とそれを続ける忍耐力の重要性をいつも教えてくれる
こんなに努力している人がいるのかと疑いたくなるほどだ
自分の努力が実を結ばず、投げ出してしまいたくなった時、この本を読むといいだろう
きっと、また努力しようとその一歩を踏み出す力を与えてくれるだろう