【書評】『数字は人格 できる人はどんな数字をみて、どこまで数字で判断しているか』小山昇著・ダイヤモンド社
会社経営のバイブル
本書は株式会社武蔵野代表取締役社長の小山昇さんが書き下ろした経営の数字の話だ。会社を存続し発展していくためにどの数字を重視し、どう改善していくかを具体的な現実の中小企業の事例を用いて語っている
僕も小山さんは本でした読んだことはないのだが、大尊敬している経営者の一人であり目標としている方だ
大企業とは違う、中小企業や個人事業主に対しての経営本であり、スモールビジネスを主にターゲットとしていることから個人で当てはめやすく、経営に関わっていなくても必ず学びがある本だ
小山さんは数多くの書籍を出版しているのでご存じの方も多いと思うが、特に本書は「キャッシュ」についての重要性を中心としたものであり、小山さんの本の中でもトップクラスに良い本だと断言できる
内容は多岐に渡っており、ブログの中ですべてをまとめることはできないので、僕が勉強させていただいたところを取り上げてみる
会社(家庭)の運命は「キャッシュ」が握っている
この本は経営者でなくとも読んでみる価値のある本なので、会社を家庭に置き換えてみるとさらに理解が深まるだろう
ぜひ、ご自身の家庭に当てはめてみて読んでみて欲しい
【キャッシュをもつことの重要性】
『お金を持っている社長、数字に強い社長だけが人格者です
どんなに社員を大切にする気持ちがあっても、お金がなければ社員を幸せにすることはできません。そこをはき違えている社長は、社員やその家族を不幸にします。
会社経営においては、「数字が人格」「お金が愛」です。
具体的に言えば、いざというときに困らないだけのキャッシュを持つ、そしてそのキャッシュをつくるための数字を理解する。この2つさえできれば、会社をつぶさず、社員を幸せにできます』
キャッシュを持っていることが、会社を存続させ社員を幸せにできる方法であるということだ
それは家庭でも例外ではないだろう
【損と得とあらば損の道をゆくことの意味】
『ダスキンの経営理念に「損と得とあらば損の道をゆくこと」という一節があります。当初、私は会社とは利益を出すことろだと思っていたので、創業者の故・鈴木清一社長に「進むべきは得の道っではないのですか」と疑問をぶつけました
すると鈴木社長は「小山君のおっしゃるとおり」と言う。いったいどっちなのかと混乱しましましたが、真意はこうでした。
会社経営には、大切なもののために損をしなければならないときがくる。そのとき迷わず損の道を進めるように、普段は頑張って利益を出しなさい。
私がキャッシュを重視する理由のひとつが、まさにこれです。』
家庭でもまったく同じで、自分の将来のための投資をしたり、家庭のライフサイクルでまとまったキャッシュが必要になるときがくる
その時に投資の回収を最大化するためにキャッシュが必要であるということだ
キャッシュがなくチャンスを逃すことがないようにという戒めでもあるだろう
【キャッシュの投資先は「お客様増」「社員教育」「インフラ整備」の3つだけ】
小山さんはキャッシュの使い道は次の3つだという
1番目は、お客様の数を増やす
2番目は、社員教育
3番目は、インフラ整備
この3つに適切に投資し続ければ、会社は継続的に成長していけます。
自分の家庭で当てはめてみると、お客様の数を増やすのは本業に対する投資ということになるだろうし、社員教育は自己投資と読み替え、インフラ整備はデジタルを最新のものにするということになるだろうか
上記3つに適切に投資することでさらにキャッシュを増やすことができることが実感できるだろう
数字は人格
本書はキャッシュについての重要性を示した本だ
本書は非常に内容が濃いもので、何度も読む価値がある
今回取り上げなかったところも数多くあり、もっとキャッシュの重要性を理解したい方は是非、一度読むべきだ
また、キャッシュのみならず会社の数字の読み方活用方法についても詳細にまとめられており、正に「数字は人格そのものを表す」ということをご理解いただけるだろう