【書評】『数的センスを磨く超速算術』涌井良幸・涌井貞美(著)・実務教育出版
【本書の読みどころ】
いきなりだが、以下の問題を暗算できるだろうか?
Q1 102+97+105+99
Q2 201×302
Q3 325÷25
すぐにこんなの解けないよという方には本書はおすすめである
学生の頃に計算が速くて自分にはかなわないと思った方は一人や二人は思い出すのではないだろうか
そういうの方を身近に見てみた人は算数は才能が必要だと思ってしまい、算数に対して苦手意識をもってしまった人もいらっしゃると思う
そういう方にこそ読んで読んで欲しい一冊であり、筆算・暗算・概算・検算の裏技集となっている
今回は全てをご紹介することはできないので、身につけておけば身近にも役立つコツをいくつかご紹介しておこう
「補数を使うテクニック」を身に付けよう!
まず算数で一番身に付けるべきは「補数」のテクニックである
簡単に言えばキリのいい数字に変換するテクニックである
初めにご紹介したQ1を例にして考えてみよう
102+97+105+99
という問題だが、4つとも100に近い数字である
そこで全てキリの良い100に合わせて、端数を別に計算することで暗算も可能になる
100×4+(2-3+5-1)=400+3=403
となるわけである
「超速・掛け算」3つの原理
二つ目は、以下の3つの式の展開原理を暗記することである
すなわち
①(a+b)(c+d)=ac+ad+bc+bd
②(a±b)²=a²±2ab+b²
③(a+b)(a-b)=a²-b²
の3つの式である
昔覚えたと懐かしい方も多くいらっしゃると思う
この式はかなり万能なので大人になっても使えるので是非暗記しておこう
これでQ2は簡単に解くことができる
201×302
=(200+1)(300+2)
=60000+400+300+2
=60702
この通り暗算でも解くことは可能になるのだ
5、25、125で割るなら掛け算にチェンジするテクニック
5と25と125で割る場合限定のテクニックなのだが、逆数のテクニックで簡単に解くことができる
例えば25で割る場合を考えてみよう
25で割るということは100/4で割ることと同じである
ということは逆数の4/100を掛けたことと同じである
Q3で考えてみよう
325÷25
=325÷100/4
=325×4/100
=325×4÷100
となり、
=1300÷100
=13
と簡単に解くことが可能になる
こういった算数に対するテクニックを多く学ぶことで速く楽しく計算することができる
算数が苦手な方や学生のお子さんがいるご家庭には大きな価値のある一冊になると思う
家族で楽しく算数を解いてみて欲しい
【さらに理解を深めるために】
『数学脳を鍛える』鈴木 貫太郎(著)大和書房