【書評】『日本史を暴く』磯田道史著・中公新書
【本書の読みどころ】
NHKなどにもよく出演されており、歴史好きで知らない人はいないだろう磯田先生
その磯田先生が、自分で探した1次史料を含めた古文書から日本の隠された歴史を暴く
「歴史は勝者により書き換えられる」
歴史を正確に知るには、敗者や一般庶民の1次史料の情報が不可欠である
表に出ることのない情報の中で磯田先生が選りすぐりのものをまとめており楽しく読める一冊である
【さらに理解を深めるために】
『名将に学ぶ人間学』童門 冬二(著)三笠書房
都合の悪いことは文書に残らない
本書は磯田先生が古文書の1次史料から選りすぐりのものをまとめた一冊である
磯田先生は、新聞と同じ速度で古文書が読めるとのこと
それだけでもとんでもないが、本書を読むと大量の古文書の内容を記憶しており、新しい古文書を見つけた場合に、どの時代の、誰に関連するものなのかがすぐわかるようである
子供の頃から古文書を読むのが好きだったらしくいわゆるオタクというやつであるが、「好きこそものの上手なり」ということだろう。現在は教授という立場になられたようだが当然と言えば当然である
歴史は勝者により書き換えられるものであり、都合の悪いことは文書には残らないのが歴史の原則である
その時代にあった真実は何かを正確に知るには、当時の敗者や庶民などの1次史料の裏付けが重要である
その仕事の傍らに、我々が読んでも面白いだろうものを磯田先生がまとめてくださっている
楽しく読めるし、日本史の勉強にもなる
そして気分転換として気軽にも読める一石三鳥の本である