【書評】『経営者の条件』P・F・ドラッカー著・ダイヤモンド社
【お勧め読者】
仕事で成果を上げたい全ての方
【本書の読みどころ】
本のタイトルから経営者が読む本と勘違いしてしまいそうだが、本書は成果をあげる方法についての本であり、成果を上げたい全ての方に意味がある本である
特にドラッカーの本の中では読みやすい本となっておりおすすめだ
仕事で成果を上げたい方全てが対象になる
本書はドラッカーの『経営者の条件』のご紹介だ
本書は「成果を上げる方法」についてまとめられた本であり、経営者が読むべき本ではなく仕事で成果を上げたい全ての方が参考になる本である
ドラッカーも本書で本書についてこう述べている
「本書は、トップが行っていることや行うべきことについて述べたものではない。知識労働者として自らの組織の業績に貢献すべく行動し、意思決定を行う責任をもつあらゆる人たちのために書いたものである。すなわち私がエグゼクティブと名づける人たちすべてのために書いたものである」
「何をしたいか」ではなく「なされるべきこと」を考える
成果をあげるために身につけておくべき習慣的な能力は五つあるとドラッカーは指摘している
すなわち
①何に自分の時間がとられているかを知ることである
②外の世界に対する貢献に焦点を合わせることである
③強みを基盤にすることである
④優れた仕事が際立った成果をあげる領域に力を集中することである
⑤成果をあげるよう意思決定を行うことである
の五つだ
この五つに対してさらに詳しい考察を本書ではまとめられている
これらの能力について私が一番参考になったのは②の貢献に焦点を合わせるというところだった
ドラッカーは本書で貢献に焦点を合わせるとはどういうことかについてこう語っている
「身につけるべき習慣は、なされるべきことを考えることである。何をしたいかではないことに留意してほしい。なされるべきことを考えることが成功の秘訣である。これを考えないならばいかに有能であろうとも成果をあげることはできない」
貢献とは自分がしたいことではなく、なされるべきことから考える必要がある
当たり前のことのように感じられるが、人間はいつも自分を中心に物事を考えてしまう
そしてつい、なされるべきことではなく、自分がしたいことをしてしまう
改めて肝に銘じたい言葉だった
本書には成果をあげるために習慣化するべきことを体系化されてまとめられている
ドラッカーの著書の中では比較的読みやすく、理解もしやすいものになっている
興味のある方は是非読んでみて欲しい