【書評】『経営者の条件』P・F・ドラッカー(著)ダイヤモンド社
おすすめ度:★★★★☆
読みやすさ:★★☆☆☆
面白さ:★★★☆☆
読者:成果を出したい全ての人に捧ぐ
経営者ではない人にこそ読んで欲しい一冊
本のタイトルが『経営者の条件』ということで、経営者向けの本かと思いきや、本の内容は成果をあげるためにはどうすればいいのかという内容であり、成果を出したい全ての人に読んでもらいたい一冊となっている。
この本が書かれたのは1966年であるが、今の自分が読んでもまったく遜色がない内容となっており、改めて名著とはこういうものなんだなと納得できる。
現在のマネジメント関連の書籍は全てドラッカーの内容かもしくは一部を掘り下げて、現在風に合わせたものであり、まず古典であるドラッカーを読むべきだろう。
成果をあげる人に共通するのは何か?
成果をあげる人に共通するのは何か?これがこの本のテーマとなっている。
まず、ドラッカーは成果をあげる人のタイプは存在しないといっている。
「成果を上げる人もまた、成果をあげられない人と同じように千差万別である。しかも成果をあげる人はタイプや個性や才能の面では、成果をあげない人とまったく区別がつかない」
と述べている。
それでは成果をあげる人に共通するのは何なのか?
それは
「成果をあげる人に共通するものは、つまるところ成果をあげる能力だけである」
という禅問答のような答えをドラッカーは述べている。
その詳しい内容を見ていこう
成果をあげるために身につけておくべき習慣的な5つの能力
成果をあげるために習慣にするべき能力を以下の5つで説明している。
1.時間をマネジメントする
2.貢献に焦点を合わせる
3.強みを生かす
4.重要なことに集中する
5.効果的な意思決定を行う
それぞれの内容は本書に譲るとして、今回は一番重要な「時間をマネジメントする」について話していこう。
時間をマネジメントする
「何に自分の時間がとられているかを知ることである。残されたわずかな時間を体系的に管理することである」
とドラッカーは述べている。
そして、その詳しいプロセスを3つに分けている。
1.時間を記録する
2.時間を整理する
3.時間をまとめる
まず、自分の時間を記録した上で整理し、まとめることにより生産性の高い時間を生み出すことができるという理解をしている。
ドラッカー的に言えば、
「成果をあげる者は仕事からスタートしない。時間からスタートする。計画からもスタートしない。時間が何にとられているかを明らかにすることからスタートする」
ということだ。
そうしない限り時間をマネジメントすることはできないということだ。
まず、自分の行動を記録しよう
自分の行動を詳細に記録しよう。しかもリアルタイムで記録する必要があるとドラッカーは述べているし、私もそう思う。
なぜなら記憶は自分の都合のいいように書き換えられるからだ。
今の本当の時間の使い方をまず知ろう。
自分の時間の使い方がわかり、認識するだけでも時間を有効活用することができる。
私も行動記録をつけているが、非常に大変な作業になる。
現在は行動記録アプリなども多くあるので自分に合ったものを見つけて管理してみるのはどうだろう?
これをやることで確実に生産性は向上し、自分の可能性を最大限に高めることができる。
『経営者の条件』を傍らに置いて試してみて欲しいと思う。