【書評】『観察力の鍛え方』佐渡島庸平(著)・SB新書
【本書の読みどころ】
本書は株式会社コルク代表取締役で編集者である佐渡島さんの本である
有名どころだと『バガボンド』や『ドラゴン桜』などを立ち上げた凄腕編集者である
マンガの世界は観察力が重要であることはイメージできると思う
その最前線を知っているクリエイターの観察力を知ることができ、鍛える方法をまとめた本が本書である
私が一番大きな気づきは、観察サイクルと行動サイクルの説明のところで、起点をどこに置くかという内容だった(自分が考えていた起点と違った)
観察とアイデアがものをいう、一流クリエイターの頭の中を知ることができる面白い本であるので興味のある方は是非読んでみて欲しい
【さらに理解を深めるために】
観察力を鍛える重要な要素
本書は「観察力」を鍛える方法をまとめた本であり、特に観察力の中でも考え方を中心に展開されている本である
有名なマンガやアニメの編集者でもある著者であることから、観察力の重要性は身に染みてわかっているだろうし、その考え方も非常に学べることが多い
本書を読んで参考になったポイントは2つで、「観察サイクル」と「文字にする重要性」だ
まず、観察サイクルであるが、著者は観察サイクルを、
仮説→観察→問い
というサイクルで構成されていると考えている
そして、一番のポイントはこのサイクルの起点をどこにするかである
著者は「仮説」を起点とすべきと述べている
つまり、観察から始めるのではなく、仮説を設定してから観察することで深い洞察と大きな気づきを得ることができると主張されている
観察する時は何も考えずまず見ることから始める方がほとんどだと思うので面白い視点であり、参考になった
そしてこの考え方は行動サイクルにも応用可能で著書の中で指摘されているので参考にしていただきたい
そして、もう一つは「文字にする重要性」である
人間は文字にすることで認知することができる以上、文字にすることで観察力も鍛えることが可能である
特に文字にするとよいものは「感情」だと著者は述べている
「感情」は文字にするのが難しいところであるが、「感情」は人間の重要な構成要素であり、それを文字にして理解することは非常に重要である
「感情」を言語にするヒントも著書にはきちんとまとめられてるので参考にしていただきたい
その他認知バイアスの説明など薄い本ではあるが読み応えは抜群の一冊なので、興味のある方は是非読んでみて欲しい