【書評】『記憶の科学』リサ・ジェノヴァ(著)白揚社
【本書の読みどころ】
本書は最新の脳科学から記憶の作り方から、なぜ人間は忘れるのか、そして記憶力の伸ばし方と維持について一冊にまとめられている
人間の能力については遺伝の影響が大きい
この人にはどうやってもかなわないと思う方は身近に一人や二人はいらっしゃるだろう
当然、記憶力についても遺伝の影響は受けているのは事実である
しかし、記憶という分野は脳科学でかなりの部分がわかってきている
つまり、科学的に記憶力を伸ばすことは可能であることを意味している
人間の能力は遺伝の影響は避けられないが、記憶の分野は遺伝に頼ることなく訓練でいくらでも伸ばすことのできる貴重な分野なのである
そういうことからも記憶については最新の情報を常に得てアップデートすることが重要であるというのが私の意見だ
本書は記憶について全体を学べる本になっており、記憶について詳しく学んだことのない方は是非勉強して欲しいと思う
努力が報われやすい数少ない分野の一つなのだから
今回は本書で自分が為になったところを簡単にまとめておくので参考にしていただきたい
記憶の作り方について
・注意を払うこと
・繰り返し暗記を試みるより、繰り返しテストする方が効果があがる
記憶の敵は時間である
時間が経てば経つほど記憶は失われる
この影響に抗うには①反復すること、②意味を付加する事(物語性をまとわせる)
記憶を妨げるもの
・ストレス
・睡眠不足
この二つを避けるためには、瞑想や健康的な食事、運動、マインドフルネスなどが効果的である
睡眠不足には20分程度の昼寝も有効
以上である
興味のある方は記憶に対するしっかりした書籍を1冊読んで習慣づけることをお勧めする
【さらに理解を深めるために】
『全米記憶力チャンピオンが明かすどんなことも記憶できる技術』ネルソン・デリス(著)エクスナレッジ
『稼げる記憶術』矢沢 大輔(著)明日香出版社