【書評】『Au オードリー・タン 天才IT相7つの顔』アイリス・チュウ/鄭仲嵐(著)・文藝春秋
【オードリー・タンを深く知ることのできる一冊】
35歳の若さにして台湾のIT大臣となったオードリー・タン。
タンのプロフィールは非常に面白い。
本書をのぞいてみよう。
「IQ180だが学歴は中卒だ。いわく、ハッカーのDNAを持ち、いつでもプログラムが書ける達人だ。いわく、シリコンバレーの創業者で、ビットコイン富豪でもある。いわく、Appleで顧問としてSiriの開発に携わったことがあり、トランスジェンダーであることを率直に表明している。
2019年にはアメリカの有名な雑誌『フォーリンポリシー』で「世界の頭脳100人」に選ばれた。才知に長け、中国語と英語を自由に操り、しばしば意外な角度から世界を眺めて人心を深く分析し解読してみせる。そうした特質も、世界中のメディアから愛されるようになった理由だ。」
僕は以前からタンはどのような幼少時代を過ごし、こんなに多くの仕事をどうやって処理しているのか気になっていた。
そんな中、タイミングよく本書を手に取ることが出来たのである。
本ブログでは僕がチェックしたタンの素顔をまとめておくことにしよう。
【僕がチェックした天才オードリー・タン】
まず幼少期で気になったところは、父親の影響もあり書籍に囲まれて育ったことがあると思う。
そこでタンは自由に好きな本を読んでいたらしい。
名を成す人物は多くの書籍を読んでいたのは周知の事実であり、タンも例外ではなかった。
次にタンの現在の仕事についてや、学習方法についていくつか記載があったのでチェックしたところをまとめておこう。
・時間管理は「ポモドーロ・テクニック」
これは生産性や効率性を上げるために、25分間仕事に専念し5分間休憩することを繰り返す方法だ。
これは生産性や効率性を上げるために、25分間仕事に専念し5分間休憩することを繰り返す方法だ。彼女はこの5分間を、インタネットやネットユーザーからのさまざまな質問への回答に当てている。
・睡眠重視
睡眠の重要性について、彼女は再三述べている。毎日必ず8時間睡眠を取るが、そうしないと短期の記憶が長期の記憶にならないそうである。
・好きな書籍は辞書とSF
なぜタンは辞書が好きなのか、タンはこう語っている「辞書を通じて、ある種の文化を理解することができるからです」。
タンはSF小説が大好きで、子どもの事はアシモフを好んで読み、ここ数年はテッド・チャンの作品を読んでいるとのこと。
・瞑想の習慣を持っている
内省することをタンは重視しており、瞑想を毎日実施している。
いかがだったろうか?
最後に記者から「自分の天才的な才能をどう思うか」の問いに、タンはなんと答えたのか。
それを取り上げて本書の紹介を終わらせていただこう。
「天才とみなされない多くの人々には、自分にしかない輝きがある。天才とみられる多くの人には、自分にしかない闇がある。どちらも素晴らしく、美しい。存在すべきはIQよりもこの美である」
【さらに理解を深めるために】
『超訳努力論幸田露伴』三輪裕範 翻訳(著)ディスカヴァー出版