【書評】GRITやり抜く力 アンジェラ・ダックワース(著)・ダイヤモンド社
本書は2016年に発刊されたもので、その当時ビジネス本で1位も獲得した有名な本であり、読んだことはないが聞いたことはあるという読者も多いだろう
今日はその本を取り上げるわけだが、改めて読んでみて同じ印象を持った
それは、内容が薄いということだ
タイトル通り、物事を達成するためにはGRITが必要であるということをあらゆる角度から1冊にまとめたという本であり、同じような内容の繰り返しが多く、話のまとまりが弱い
よって読んでいると飽きてくるし、実際8割方は読まなくても差し支えない内容だと思う
逆に言えば、筆者はそのリスクをわかっていながらも、やり抜く力を切に訴えたったともいえるだろう
「達成の方程式」と「意図的な練習」
本書の大トロの部分は「達成の方程式」と「意図的な練習」の2つを理解し、行動に移すことだと思う
詳しい内容は本書に譲るとして、簡単に僕がまとめてお伝えしよう
「達成の方程式」=スキル×努力=達成(スキル=才能×努力)
まず達成の方程式だが、達成はスキル×努力で決まると説く。そしてスキルは才能×努力で決まると主張している
ポイントはスキルと達成どちらも努力が入っており、2倍重要であるということだ
この努力の大きさと継続力が本書でいうGRIT(やり抜く力)ということになる
「意図的な練習」
・明確に定義されたストレッチ目標
・完全な集中と努力
・すみやかで有益なフィードバック
・たゆまぬ反省と改良
この4点を満たすのが意図的な練習であり、最高の結果を得られる練習ということになる
ただ漠然と練習を続けるより、意味を持って練習をすることで長期的にみて結果がまるで変ってくるということは参考にすべき内容だろう
僕がためになった言葉と所感
“偉業を達成するための決定要因に関数ダーウィンの意見、すなわち、知的能力よりも熱意と努力のほうがはるかに重要だという信念は、一考に値するだろう”
“最高のパフォーマンスは、無数の小さなスキルや行動を積み重ねた結果として生み出される。それは本人が意識的に習得する数々のスキルや、試行錯誤するなかで見出した方法などが、周到な訓練によって叩き込まれ、習慣となり、やがて一体化したものなのだ。やっていることの一つひとつには、特別なことや超人的なところはなにもないが、それらを継続的に正しく積み重ねていくことで生じる相乗効果によって、卓越したレベルに到達できる”
物事を諦めずにやり抜く重要性は、単純であまりにも当たり前すぎて、ないがしろにされやすいとことである
そこに対し改めてスポットライトを当てた本書は努力の重要性を改めて気づかされてくれた一冊だ
自分はすぐ諦めてしまう場合が多いと感じている人は本書をそばに置いて、辛い時に読んでみるのもいいだろう
きっと勇気とやる気をくれるはずだ
最後に「GRITやり抜く力」とは何かを記してこの本の評価は終わりにしたいと思う
“「やり抜く力」が強いということは、一歩ずつでも前に進むこと
「やり抜く力」が強いということは、興味のある重要な目標に、粘り強く取り組むこと
「やり抜く力」が強いということは、厳しい練習を毎日、何年間も続けること
「やり抜く力」が強いということは、七回転んだら八回起き上がること”