【書評】『どんな人でもできる1年でトップ営業に駆け上がる54のリスト』福山敦士(著)・大和書房
営業は準備と管理
この本は営業関連のノウハウ本となっている
僕もずっと長く営業畑にいるので得意分野であるのだが、営業は努力が大事だと教えてくれる本だ
もともと営業が苦手な筆者がどうやってトップ営業になったかを記した本であり、苦手をどうやって克服していったかを赤裸々に語ったのが本書である
その克服方法が事前準備と目標管理だと福山氏は語っている
努力とシステムでトップ営業になれるという好例だ
営業ができる人とできない人の決定的な違い
本書では営業ができる人とできない人の決定的な違いは「切り返し」だと語っている
“お客様から聞かれたことに対して答えるという切り返しは、一番その人のスキルやノウハウが出る部分なんです。だからこそ、カードをたくさん持つために、営業の人には知識や教養が必要になってきます。”
つまり、会社説明や製品説明は誰でも訓練すればできるが、一番差が出るのはそれ以外の部分であり、それは相手からの質問に対する切り返しであるということである
そして、この違いの差は事前の準備と毎日の営業活動をどう管理しているか(どう振り返っているか)が重要であると言っているのであろう
準備と管理の方法
本書では営業に対する準備と管理の方法がマインドから行動までたくさんまとめられているので是非、目を通してみて欲しいが僕がためになったところだけ箇条書きで取り上げておく
【目標は設定が5割、管理が5割】
目標は設定と同じぐらい管理が重要である
【段取り力=タスク分解力×優先順位決断力】
優先順位とは着手の早さでもある
【最高目標と最低目標】
最高目標:相手ありきの目標で達成率や決定数
最低目標:コントロール可能で相手は関係ない目標で提案数、アポ数、労働日数、労働時間
営業で困っている会社はたくさんある
著者は営業は素晴らしい職業のひとつであることをわかってもらいたいという思いがある
僕もその通りであると思うし、営業は会社としてのニーズが高いからこそ、最もリターンが大きい職業の一つであり、営業力を身につけること自体が奥義だと思っている
特に営業の仕事をしている人、営業の仕事に興味がある人には勇気をもらえる本であり、ノウハウをどんどん取り入れてもらいたい
最後に営業で勇気を与える存在について筆者はこう語っている
“勇気を与える存在は背中と言葉がセットです
背中は「結果を出すこと」、そして言葉は「再現性の高い理論をつくること」”
営業の職業としての地位向上を強く願って