【書評】『星野リゾートの教科書 サービスと利益 両立の法則』中沢康彦(著)・日経BP社
星野リゾートの成功の秘訣
本書は星野リゾートの代表である星野佳路代表が実践し成果をあげてきた秘訣をまとめたものだ
僕も星野リゾートが大好きで一度星野リゾートに関する本を読んでみようと思ったのがきっかけで手に取ったのが本書である
星野リゾートの成功ノウハウを実際の会社で実践しどのように変わっていったのか包み隠さずまとめている
成功の秘訣は本屋にある
星野氏が実践したノウハウはシンプルだ
「本屋で売っている本を教科書として理論を学びそれを実行すること」
それだけである
僕は「それだけなの?」と不思議に思ったが本当にそれだけだった
ただし、この方法を実践するにあたり3つのステップがある
それを簡単にまとめると次の通りだ
【ステップ1】本を探す
書店に一冊いかないような古典的な本ほど役に立つ。役立つ教科書は「今、自分が直面している課題を扱うシンプルな理論」であることが多い
【ステップ2】読む
一行ずつ理解し、分からない部分を残さず、何度でも読む。思いつく自社の打ち手を思いついた時にそのページに書き込むことも重要だ
【ステップ3】実践する
理論をつまみ食いせず、100%教科書通りにやってみる。書かれている内容の一部を実行するだけでは教科書の理論を実践していることにはならない
ポイントは自分で勝手にアレンジせず教科書通りに真似るということだ
星野氏の理論と実践の体験記
本書では星野氏が教科書に選んだ本からどのようなことを学び、それを経営にどう実践し、どう変わったかが忠実に描かれている
また紹介されている本は12冊以上に及んでおり様々な理論の本を取り上げているので自分の状況にあった本を選んで学ぶことができる
星野氏は本書でこう語っている
“企業経営は、経営者個人の資質に基づく「アート」の部分と、論理に基づく「サイエンス」の部分がある。私は経営職に就いた当初から、自分にアーティステックな経営判断を行う資質があるとは思っていない。どんな時にも自分の直感を信じることができず、それはあまりにもリスクが大きいと感じてしまう。私は自分の経営手法の中でサイエンスを取り入れる必要性を感じ、教科書を根拠とする経営を始めた”
星野リゾートの成功は真摯に学び、忠実に実行した結果なのだ