【書評】『読書の技法』佐藤優・東洋経済新報社
日本でもっとも本を読んでいる知の巨人
今回は元外務省主任分析官であり、対ロシア外交の最前線で活躍した佐藤優氏の著書を紹介する
佐藤氏は蔵書は約4万冊以上、月平均300冊以上には目を通し、多い月には500冊にも達するという
つまり、月最低でも3600冊以上、本に目を通していることになる
これは私の知っている限り、日本人で一番読んでいる人物である
そして、読んでいる本も専門書を中心に、英語やロシア語などの洋書も読むという博学ぶりだ
そんなとんでもない人物の読書法を知ることができるのが本書だ
本の読み方は3種類
佐藤氏が実践している読書の方法は「熟読」「普通の速読」「超速読」の3つに分けられている
人間の時間は有限であることから、人生で本当に読むべき本は限られている
その本をスクリーニングする目的で「超速読」で普通の速読、熟読すべき本を見極める方法をとっている
そして本当に読むべき本は「熟読」し、読書ノートで知識を体系化している
この方法は私の読書人生でも非常に役立っており積極的に取り入れている
この3つの読書法は詳細に本書にまとめられているので是非参考にして欲しい
何事も基本が大事
また佐藤氏は本の理解と読む速さは知識に左右されることから、特に高校レベルの知識を一度学び直すのが近道だと説いている
やはり専門書になればなるほど、基本的な前提や背景を理解していないと全くわからないことがどうしても起こる
そのための基礎基本が高校レベルの知識であるというわけだ
何事も基礎基本が大事なのだと教えてくれている
そういう意味でも本書は社会人のみならず、学生にも非常に参考になると思う
日本トップレベルの知の巨人の読書法を一度覗いてみて欲しい