【書評】『売上最小化、利益最大化の法則』木下勝寿著・ダイヤモンド社
無一文から一代で4年連続上場させ、東証一部まで上場させた経営者の本
北の達人コーポレーション代表取締役社長・木下勝寿さんの経営理論をまとめたのが本書である
木下さんは僕が尊敬している経営者の一人であり、いつも勉強させてもらっているし、自分の行動にも活かしている方だ
本書に関しては、経営の内容の中でも「売上と利益」を深堀したものである
お金に関する内容なのでどんな方にも勉強になる内容だと胸を張って紹介できる。一度は読んだ方がいい
利益は目的、売上はそのプロセス
特に木下さんの売上と利益の考察は一読に値する
同じような内容の本はいくつも読んでいるが、木下さんのずば抜けた考察の深さとわかりやすさは群を抜いている
“仕入れたものに付加価値が加わらなければ、売上が上がっても利益は出ない。
すでに世の中に役立っている商品を、そのまま仕入れて、そのままの値段で売ると、売上は上がるか、利益は上がらない。
それはあなた自身が世の中の役に立っていないことを示している。
年商100億円の会社でも利益を出さなければ存在価値はない。売上に意味はない。
利益こそが会社のお役立ち度を示している。利益はその会社が本当に役立っているかどうかのバロメーターなのだ。”
また、利益を上げた会社は何をすべきかということに対してもはっきりとした信念を持っている
“目標とする利益を十分に上げた会社は次に何をすべきか。
もっと世の中の人に喜んでもらうにはどうしたらいいか。
世の中にはもっと困っている人がいるのではないか。本当はすべての困っている人を把握し、優先順位をつけて援助できればいいが、自分の力では難しい。
では、どうしたらいいか。
そのために行政と税金という仕組みがある。
行政は日本中から集めた情報をもとに、どこにどれだけのお金を分配すべきかを決める。稼いだ利益は行政を通じ、日本全体がバランスよく、みんなが幸せになるよう適切なところに分配される。
だから世の中に役立つには、より多くの利益を上げることだ”
木下さんは節税よりも税金をしっかり払うことの重要性をこのように語っている
僕は木下さんの考えに賛成だ
皆さんはいかがだろうか?
一読する価値のある一冊
このように本書は経営理論を誰にもわかりやすくかみ砕いて丁寧にまとめられている
どんな方にも参考になる部分はあるので是非一読をお勧めする
また、木下さんの素晴らしいところは経営手腕のみならず、それを達成させる行動力とその考え方にある
その行動力と思考力に関する本が別に出版されている
その本も秀逸なので今度取り上げようと思う