【書評】『サイコロジー・オブ・マネー』モーガン・ハウセル著・ダイヤモンド社
【お勧め読者】
お金の勉強をしたい方
テールイベントを理解したい方
【本書の読みどころ】
お金に対し現在はどういう付き合いをしていけばいいのか?
お金に対するマインド・考え方から理解しておくべき知識・投資と幅広くカバーされている
私自身はテールイベントの考え方が非常に参考になった
テールイベントとは何かがよくわからない方にもおすすめだ
【さらに理解を深めるために】
『マネーの公理』マックス・ギュンター(著)日経BP社
『絶対悲観主義』楠木建(著)講談社+α新書
テールイベントの重要性を再認識するための本
本書はお金に対するマインドセットを促す本である
特にお金に対するマインド・考え方はほとんどの方が間違った認識をもっていると警鐘しており、その理由から新しい考え方の提示がされている
その中でも特に勉強になったのは第6章の「テールイベントの絶大な力」だ
テールイベントとは「稀にしか発生しないがいったん発生するとその影響が極めて大きい事象のこと」である
特に投資の分野ではこのテールイベントをどのような対応をするかで投資パフォーマンスのほぼすべてが決まるという
テールイベントは稀にしか発生しないため、投資をやっている期間の1%程度にしか発生しないと指摘している
しかし、その1%でその投資のパフォーマンスのほぼ全てが決まってしまうのである
著者はこう語っている
『投資において「今日」何をするかはそれほど重要ではない。投資家の長いキャリアのなかで、今日、明日、来週に下す決断は、大きな違いをもたらさない。違いをもたらすのは、周りの人がおかしなことをしているタイミングや、まれにしか訪れない期間ーおそらく全体の1%以下ーに下す決断なのだ』
この章では美術商の成功した方法を例としてテールイベントの重要性と考え方が詳しく記載されている
ここだけ読むだけでも十分元は取ったと言える内容だった
自分の勝手な思い込みで物事を判断しないことの重要性
もう一つは自分の思い込みについてだ
人間はだれしも思い込みがあるものだが、それは良い意味でも悪い意味でも思い込みがあると指摘しており、どちらに偏ってもパフォーマンスが下がってしまうとのこと
著者はそれをこう表現している、「何事も見かけほど良くも悪くもない」と
うまくいっている時ほど慎重に、うまくいかないときほど寛容になるべきだと読者に訴えている
これはお金に関することのみならず、日常でも重要な考えだと理解できた
著者は人間の思い込みについて計画を例にとってわかりやすく表現している
「あらゆる計画でもっとも重要なのは計画通りに進まない可能性を踏まえて計画すること」
投資に興味のない方にも学べることは多い
一読をおすすめする