【書評】『クロックサイクルの速め方』苫米地英人著・フォレスト出版
【お勧め読者】
速読をしたいと考えている方
速読自体をすることに疑問のある方
生産性をもっと高めたい方
【本書の読みどころ】
本書はクロックサイクルを速めることをまとめたものである
クロックサイクルを速めることの1つの例として速読に多くのページを割いており、速読のメリット・デメリットについて鋭い考察が面白く勉強になった
本を早く読みたい、もっと大量の本を読みたい方にもお勧めであり、今の仕事などの生産性をもっと上げたいかたにも参考になる一冊だと思う
【さらに理解を深めるために】
『君も年収1億円プレーヤーになれる』苫米地 英人(著)宝島社
『どんな本でも大量に読める「速読」の本』宇都出 雅已(著)大和書房
速読術の問題点
本書はクロックサイクル、つまりコンピューターでいう情報処理速度のことであり、一人ひとりクロックサイクルは違うものだが、それは誰でも速めることが可能であることをまとめたものである
そのノウハウやCD付きで実際に訓練をすることも可能だ
本書ではクロックサイクルを速めることの1つの例として読書をメインに取り上げており、速読についての深い考察がされている
著者は現在速読術関連の著書がたくさんある中でその問題点を指摘している
それは、速読をフォトリーディングとしてとらえている本が多いということだ
フォトリーディングを中心とした速読の特徴としては、
・本を読む時にあらかじめキーワードを設定
・何を知りたいのかあらかじめ設定
することがあげられる
つまり、自分の知りたいことは何かを決めてから読むことにより効率的に知識を拾うことが可能であり、速く読むことができるという理屈になっている
著者はその方法には大きな問題点があると指摘する
「人は物事を脳でみていて、脳は自分にとって重要なものしかみえないようになっている」
と脳科学の観点から指摘しており、フォトリーディングの方法で速読をしてしまうと本当に得るべき知識がスコトーマにより認知できず、自分の知っている情報の強化にしかつながらないとしている
著者はフォトリーディングについてこう語っている
「フォトリーディングは読まなくていい本を選り分けるためにはいいが、読むべき本を読むときにはおすすめできない」
それではどう本を読めばいいのだろう
理想的な本の読み方
著者は理想的な本の読み方として以下が重要だとしている
「自我を消して読む」
「一言一句読む」
まず自我を消して読むということだが、簡単に表現すると先入観をなくして読むことが重要であるということだ
しかし、先入観なしで読むのは子供でもない限り難しい
そこで著者は本を読むときに著者のプロフィールを読んで著者になりかいって読むことを勧めている
そうすることで著者にとって重要なことを読めるようになるとしている
そして、もう一つは一言一句読むということだ
読み飛ばしはスコトーマにより重要なことを読み飛ばす危険性が高まる
それを防ぐために一言一句読むことをすすめているのだと理解した
クロックサイクルを速める
本書はクロックサイクルを速めて自分の時間を増やし、生産性を高めることを目的としている
クロックサイクルを速めることで速読にもつながり、生活全般に関してもスピードを上げることができると著者は語っている
クロックサイクルは脳の速度認識の問題であり、速く習慣づけることによりいくらでも速くすることが可能ということだ
そのノウハウ、そしてクロックサイクルを速める訓練も本書にはしっかりまとまっている
今の仕事の生産性をもっと高めたい、本をもっと速く読めるようになりたい方にはおすすめの一冊になっている
是非、一度手に取ってみて欲しい