【書評】『スマホはどこまで脳を壊すか』榊浩平著・朝日新書
【本書の読みどころ】
本書は認知機能の維持と改善をテーマとしており、その中でもスマホ使用とオンラインのコミュニケーションの弊害を中心にまとめられている
まず、スマホ使用についてだが特に小学生から中学生へのスマホ使用を制限すべきとの主張をされている
本書の論文によると、1日3時間以上スマホを使用している子どもは、勉強時間をきちんと確保しても、睡眠時間を十分にとっても成績が平均未満になってしまうとのこと
つまり、スマホを長時間使用してしまうと、いくら勉強しても、体調を整えても意味がないことを示している
著者はこう語っている
「勉強中はスマホの電源を切ってリビングなどに置き、目に入らないようにすること」
を親にアドバイスしている
また、本書ではオンラインコミュニケーションの弊害についてもまとめられている
詳しい内容はもちろんのこと、脱オンラインの具体的な方法にも記載があるので、是非本書を参考にしていただきたいと思う
【さらに理解を深めるために】
『スマホ脳』アンデシュ・ハンセン著・新潮新書
認知機能の維持と改善がテーマ
本書は脳の認知機能の維持と改善をテーマとしており、その弊害として「スマホ使用」と「オンラインコミュニケーション」について焦点を当ててまとめられている
まず、スマホの弊害については様々なメディアで報道されているがいると思うが、その最新情報を知ることができる
本書ではインターネット依存傾向の高い人は脳の前頭前野の実行機能が低く、アルコール依存症の患者さんの間と差がないとのこと
また、子どものスマホ使用も大きな弊害があることを指摘されている
そして、オンラインコミュニケーションについての弊害もまとめられており、対面との使い分けが非常に重要であることを示した
また、オンラインコミュニケーションは社会的孤立の解決にはならず、インターネット依存傾向を強め、逆に孤独を感じやすくなり、将来の認知症リスクを強めてしまう可能性があることを指摘している
その解決のために脱オンラインのすすめもまとめられており、著者が実際に実践してみてどのようなメリット、デメリットがあったかもまとめられているので参考にしていただきたい
特に中学校前後のお子さんがいる方は読まれると良いと思う