【書評】『ドラッカーが教える営業プロフェッショナルの条件』長田周三(著)・総合法令出版
【本書の読みどころ】
現代マネジメントの第一人者であるP・F・ドラッカーの著書の内容を営業にどう生かせばよいのかという観点でまとめたのが本書となっている
ドラッカーの数々の名著から営業に役立つ事項を抜き出して、具体的にどのように考えるべきか、行動するべきかを解説付きでコンパクトにまとめられている
コンセプトは面白かったが、ドラッカーの言葉は非常に高度で解釈が難しく、自分に納得させるまでかなりの説明が必要である
それを手助けしてくれている印象だ
営業とドラッカーを一緒に学べる一石二鳥の本ではあるが、ドラッカーの著書自体は読んでおくことは必須であろうことは書き記しておく
【さらに理解を深めるために】
コンセプトは面白い
本書はドラッカーの名著から営業に役立つ項目を抜き出し、説明を加えて体系化したものとなっている
コンセプトとしては面白く、ドラッカーはどんな職種でも役に立つことを改めて教えてもらえる
しかし、私個人としては、ドラッカーの言葉の説明に対しての量が足りてない印象で、もっとドラッカーの言葉の真意を深く掘り下げる形にした方が良かったと思う
読者ようにわかりやすく簡略化したとも言えるが、内容的にちょっと物足りないと思う
また、深く掘り下げていないがゆえに、一般的な結論になっている所が多くなってしまい、ドラッカーの言葉の価値を伝えきれていない印象だ
この両立は容易ではないことは私個人としても重々承知しているが、もう少し掘り下げた内容にして欲しかったと思う
そのことから本書を読むに当たっては2つの条件がつくことになるだろう
条件1:ドラッカーの言葉にはそれぞれドラッカーの著書も掲載されている。必ずその該当するドラッカーの著書全体を読むことが必須であること
条件2:営業という観点から考えると、『経営者の条件』は必須で読まれてから、本書を読むことで、もっと深い理解が可能であること
営業の仕事のスキルを高めて、ドラッカーを深く学ぶきっかけになる本であることは間違いはない