【書評】『未来を語る人』大野和基(編)・集英社インターナショナル
【本書の読みどころ】
本書は新しい資本主義についての知見を与えてくれる一冊となっている
地球温暖化、パンデミック、国際紛争、そして格差の拡大などの難題を従来の資本主義は解決できるのか
または資本主義の大改革や新たなコミュニズムが必要なのか
その答えのヒントを世界8名の知の巨人たちが新たな資本主義のゆくえ、世界の在り方、そして日本の針路について語った一冊だ
最近はマルクスの『資本論』を読み直すという関連の本が非常に多いと感じる
それは今の現在と照らし合わせてみると、『資本論』の通りになっていると感じる方が多いだからだろう
その際たる問題点は「格差の拡大」である
資本主義自体が格差の拡大を産んでしまうシステムであることは事実だが、その様々な解決策を本書で語られている
新しい資本主義の形を知り、学ぶことができた非常に面白い一冊だった
私が本書で学んだところと今後読んで勉強したい書籍まとめ
本書は新しい資本主義の形を様々な学者から提示され、語られたものをまとめたものとなっている
資本主義自体が難しい内容だが、対話形式になっているので非常にわかりやすく読みやすいのが特徴だ
そこでここでは私が読んで参考になったところと今回紹介された学者で読みたい著書がいくつかあったので簡単にまとめておこう
【パンデミックから学べること】
①将来の危機にあらかじめ備えておくこと
②新型コロナはグルーバリゼーションによって拡大した。よってグローバルな解決が必要であること(自国だけで解決できない)
【新たな資本主義に対するキーワード】
・負の所得税
・炭素税
・平等な資産配分
・ドーナツ経済
やはり、資本主義の最大のネックである格差の是正をどうするかについての指摘が一番多かった
【今後読んでみたい本】
『資本主義だけ残った』フランコ・ミラノヴィッチ(著)みすず書房
『ドーナツ経済』ケイト・フワース(著)河出文庫
『MORE from LESS 資本主義は脱物質化する』アンドリュー・マカフィー(著)日本経済新聞出版