【書評】『億万長者の情報整理術』加谷珪一(著)・朝日新聞出版
【お金の集まるところには権力と情報が集まる】
本書は情報インテリジェンス、主にマネーインテリジェンスの基本をまとめたものになっている。
マネーインテリジェンスにいささか偏り過ぎているきらいはあるが、情報収集の方法から、注意点、活用法など幅広い。
本ブログでは「情報リテラシーの基本」と「断片的な情報を大きな情報に高める方法」をしぼってまとめておこう。
参考にしていただければ幸いだ。
【情報リテラシーの5つの基本】
まず情報リテラシーの基本からで大きく5つのポイントがある。
①情報の前後関係を必ず確認すること
単発の情報だけでは全体像がわからない。見る人によっては状況を取り間違えてしまうので注意
②ビジネスや投資では必ず統計情報を確認すること
統計情報は信頼できる情報の最たる例であり、情報リテラシーの基本である。
③数字は単体では意味をなさないことを覚えておくこと
数字を見る際に注意する必要があるのは、数字の比較対象である。単体の数字を目にした場合には、その情報の書き手が十分に信用できる人のものである場合を除いて、それだけで「意味付け」をしないことが重要です
④時系列に気をつけること
情報を読み解く際に、気をつけなければならないことのひとつに「時間」の概念があります。まったく同じ情報であっても、時間によって解釈は大きく変わるからです
⑤同じ条件で対象を比較すること
物事の変化を見極めたい場合には、同じ条件で対象を観察することが重要です。これを定点観測と呼びますが、定点観測はインテリジェンスの世界ではオーソドックスな分析手法であり、ビジネスにおいても非常に有効に作用します
以上の5点である。
当たりまえのことも多く含まれているが何事も基本が大事だということである。
【断片的な小さな情報を大きな情報に高める方法】
情報は基本的に小さく断片的なものが多い。
しかし、その一つひとつの情報が積み重なることにより大きな情報になることがある。
報道のスクープ記事などが例として代表的としてあげられるが、小さな情報を大きな情報に高める方法には2つのポイントがあるのでご紹介しておこう。
①情報は量が大事である
小さな情報でも多くの情報が集まればパズルのように大きな姿を現すことがある
小さな情報を多く集めることが重要であり、ブログ・SNSなども現代は非常に大事な情報収集ツールである
②情報をどう組み合わせるかが重要
断片的な情報をどう組み合わせるのかが大事で、断片的な情報を組み合わせてストーリーとして組み立てられるかがポイントになる
矛盾のないストーリーが構成できれば情報の信頼性も高まることになる
【情報収集の基本を学びたい方にはぴったりの本】
いかがだったろうか?
本書は読みやすい文章で構成されており、具体的な事例をもとに解説をしているのでわかりやすい。
また実用性も高いと思うので、情報収集の基本を学びたい方には最適だろうと思う。
少し古い本にはなっているが、内容としては申し分ないので是非一読をおすすめする。