【書評】『屁理屈なし社長のための時間の使い方 改訂版』ダン・S・ケネディ(著)・ダイレクト出版
【アイデアと行動の間の時間をなくすこと】
本書は経営者のための時間の使い方をまとめたものとなっている。
内容的には経営者でしかできない内容も多くなっているが、会社員でももちろん応用することが可能となっている。
著者は本書で時間の有効活用の重要性についてこのように語っている。
「トップクラスのCEOが捻出できる生産的な時間は、1日たった45分程度である。また平均的な企業経営者は8分ごとに仕事を中断させられている」
地位があがれば自分に使える時間も当然減ってくる。
その少ない時間をどう捻出するのか、そしてどう活用するのか、それが本書のテーマとなっている。
【あなたが今していることの1時間当たりの価値はいくらか?】
時間を有効活用することは言うまでもないことであるが、自分の行動に対して本書では1時間当たりいくらの価値があるのかをはっりさせることが効果的だとしている。
「自分が今していることは1時間当たり340.92ドル(約5万円)の価値はあるか?
数字を決めれば、決断や身に付ける習慣、付き合う人々の多くに劇的な変化が生じるので桁外れなメリットが手に入る。
つまり、私の労働時間はすべて、一定額の金銭的価値がなければならない。この価値を生み出し、守るためなら、できるすべてのことをするということだ。」
時間厳守については本書の至るところでその重要性が語られている。
「素晴らしい成果を達成するためには、日々の予定や習慣、約束、そして規律が極めて重要」
「1日のスケジュールは最初から最後まで30分刻みで立てるべき」
「たかが10分ぐらいと思う人は、時間の重要性を何から何まで読み違えている」
自分の1時間当たりの価値は自分で決めること。それも今すぐに決めるべきだ。
【社長のための時間の作り方】
その他に時間の作り方に関する様々なアイデアが豊富にあるのだが、その中でも僕が参考にしたところを簡単にまとめておこう。
1.ジム・ローンの大量行動の原則:成功する人は1つの問題に1つの解決策しか試さないのではなく、同時に20もの解決策を実行する
2.埋没費用は腹をくくって無視すること
3.ビジネスを発展させる唯一の方法は、いつも仕事を人に任せることである
4.電話にでない
5.ソーシャルメディアと個人的な関りを持たない(ビジネスなら別)
以上である。興味のある方は読んでみて欲しい。
【さらに理解を深めるために】
『限りある時間の使い方』オリバー・バークマン(著)かんき出版
『「お金を生む時間」のつくり方』荒木 陽介(著)朝日新聞出版