【書評】『あなたも魔法使いになれる ホ・オポノポノ』滝澤明子(著)近藤洋一(監修)・バンクシア・ブックス
【セルフアイデンティティ・スルー・ホ・オポノポノ】
本書はハワイ州立病院のある病棟から話は始まる。
その病棟とは、「触法精神障害者病棟」。精神的な病気が理由で殺人のような重い罪を犯しても「責任をとる能力がない」と判断された人が収容されている。要するに「自分で自分をコントロールできない」人たちが入る病棟である。
その病棟が1人の心理学者によってどんどん患者が快方に向かい、4年後にはすべての患者が退院し、その病棟は閉鎖された。
そんな物語である。
こに心理学者はどんな魔法を使ったのか?
それが古くからハワイにある少数民族に伝わる「ホ・オポノポノ」と呼ばれる問題解決メソッドであったのである。
【ホ・オポノポノの実践】
ホ・オポノポノの実践については博士が病棟で何をしたのかを見ていくことにしよう。
「収容者に対しては、診察も、カウンセリングも、治療行為も、一切行わない。ただ来る日も来る日も、「自分」を癒した。
すると、収容者に変化があらわれ始めたのだ。
2、3ヶ月後には、手足を縛られていた人たちが、自由に歩くことを許可されるようになり、多量の投薬が必要だった人たちは、それが不要になった。
博士がやったことは、来る日も来る日も、収容者のカルテを見ながら、「彼らの病気をつくったのは、自分自身の何が原因なのだろう?」と、ひたすらその「原因」を癒し続けたこと。
話もしない、手も触れない、たった一度の診察すらせずに」
ここだけを読めばまさに魔法である。
そしてそれがホ・オポノポノの問題解決メソッドなのである。
博士は具体的に何をしていたのか?
その部分を抜粋しよう。
「博士にやったことは、『自分を癒すことで、人が癒される」ということだ。
それではどのようにして、自分自身を癒していたのか。カルテを見ながら、実際に何をしていたのか?
博士の答えはこうだった。
『わたしはただ“ごめんなさい“と“愛しています“を、何度も何度も言い続けただけです』
記者は、もう一度たずねた。
『それだけ?』
博士は答えた。
『それだけです。』
何度聞いても『それだけ』だった。
それ以外のことを、博士はしなかった。」
これがホ・オポノポノの実践メソッドの手法である。
【ホ・オポノポノの内容手法について】
本書にはホ・オポノポノを僕たちがどのように行動すればいいのか、そしてなぜそれするのかの理由がまとめられている。
全てをご紹介するのは難しいので最重要のポイントだけを抜粋しておこう。
詳細は本書でご確認いただきたい、いや、必ず一度は読んで欲しい一冊だ。
ホ・オポノポノには、クリーニングのための4つの言葉がある。
「ごめんさない」
「許してください」
「愛しています」
「ありがとう」
これが4つの言葉だ。
何についてのごめんなさいなのか?許してくださいなのか?
その記憶を、今まで放っておいたことに対して。気づかず、対処しなかったことに対して。
何を愛するのか?
その記憶そのものを。
“愛“によって〈記憶〉は消える。
私たちがこれからの“言霊“を使うと、その〈記憶〉もろとも包み込んでしまう光が届く。
「神」「宇宙」「サムシンググレート」
とにかくそうした存在。
ここでは「宇宙」に統一させていただくとして、誤解を恐れず大ざっぱに言わせていただくと、その「宇宙」からの光が、〈記憶〉を消し去り、私たちの現実を照らしてくれるのだ。
だから最後に言う。
ありがとう。
宇宙にそれが受け入れられ、〈記憶〉が消去されたこと、光が届いたことに対する感謝だ。
私たちの「謝罪」が「愛」が、受け入れられた、という“完了“を意味する。
〈記憶〉が消えたとき、はじめて、私たちは「宇宙」からやってくる「光」そのものを、現実として目にすることになるのだ。