【書評】『星の商人』犬飼ターボ（著）・サンマーク出版

【星の商人になるための物語と二人の数奇な運命】

この物語はレキとスタムという志を同じくした若者が街で一番の賢人といわれ元商人であった人物に大商人になるための教えを乞うところから始まる。

その初めの教えは、

『他の成功は己の成功』（ほかの者の成功を手助けしたとき、己も成功する）

という教えであった。

レキはその賢者の言葉を信じ、教え通りに大商人になろうとすることを決める。

一方のスタムは、ほかの者の成功を手助けしてしまうと、相手は成功するが自分は成功することはない。そしてこの教えは富を独占したい者の作り話であり、誰も商売のコツなんて教えてくれるわけがないと賢者の教えを否定する。

そして商売のコツは盗むしかないとレキに伝え、その街で一番の商人の下で働き、儲け方を見てこっそり盗もうと思うと語る。

そして、レキとスタムはそれぞれ別々に自分の信じる大商人の道を歩んでいくのだが、、、

というのがこの物語のスタートとなっている。

タイトルにもなっているが、分かち合い、成功を助け合う商人たちは「星の商人」と呼ばれている。

はたしてレキが「星の商人」になることができたのか、そして違う道で大商人を目指したスタムとの数奇な運命とは何か本書で確認して欲しい。

以前に『世界最強の商人』という本をご紹介したが、本書はそれよりも読みやすく、商売の本質をついている本に初めて出会った。

中学生でも簡単に読むことができる内容なので、若い方にも是非読んで欲しい一冊である。

大人の皆さんは必読でお願いしたい。

それだけの価値のある一冊であることを強く勧める。

【さらに理解を深めるために】

『世界最強の商人』オグ・マンディーノ著・角川文庫

『その後の世界最強の商人』オグ・マンディーノ著・角川文庫