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【書評】『小さなチーム、大きな仕事 完全版』ジェイソン・フリード、デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハイソン(著)黒沢健二・松永肇一・美谷広海(訳)早川書房

 
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【仕事の成功法則はそれぞれ違う】

本書は世界が注目するソフトウェア開発会社「37シグナルズ」の創業社兼CEOである、ジェイソン・フリードと37シグナルズの共同経営者のデイヴィッド・ハイネマイヤー・ハイソンの共著である。

彼らは会社を大きくせずに、小さな企業やグループが楽に仕事ができるようなソフトウェアを開発しており、本書のテーマは小さな会社でも大きな仕事をする法則についてまとめたものとなっている。

そして、著者はこの本を学術的な論理ではなく、僕たちの経験をベースにしていると語っており、生きた教材としての色彩が強い。

ここでは私が本書で特に参考になった7つの教えをまとめておくので参考にしていただきたい。

1.計画は予想にすぎない

予想をたよりにしてはいけない。今年ではなく、今週することを決めよう。次にやるべき最重要課題を見つけだして、取り組むのだ。何かをするずっと前ではなく、直前に決定を下そう。

計画なしに仕事をするのは恐ろしく思えるかもしれない。しかし現実と折り合わない計画にしたがうのは、もっと恐ろしいことだ。

2.あなたに必要なものを作る

すごい製品やサービスを生み出す最も単純な方法は、あなたが使いたいものを作ることだ。自分の知っているものをデザインするのなら、作っているものがいいかどうかすぐに判断がつく。僕たちは自分たちに必要なものを作ったまでだ。

3.制約を受け入れる

「私には十分な時間も、お金も、人脈も、経験もない」と嘆くのはやめよう。少なければ少ないほどよい。制約は見方を変えれば武器である。資源が制限されると、それでなんとかしなければならなくなる。そこには無駄の余地はなく、創造性が求められるのだ。

4.ヒーローにはなるな

何でもやりきるヒーローより、やめることが最善の方法となりうることを覚えておこう。人はやめることを失敗と関連づけがちだが、時にはそれがまさに今すべきことである場合もある。すでに一つのことにそれだけの価値がないほど多すぎる時間を費やしたのであれば、そこから手を引くこと。その時間を取り返すことはできないが、そんな状況ではさらに多くの時間を無駄にすることになる。

5.競合相手が何をしているのかなんて気にしない

自分自身に焦点を当ててみよう。ここで起こっていることは、向こうで起こっていることよりずっと重要である。他人を心配するのに時間を費やしていると、その時間をあなた自身の向上に費やすことはできない。

あなたが他の人たちとただ同じようになるのであれば、なぜあなたは別にやる必要があるだろう?もしあなたが単にだれかをそっくり真似ているのだとしたら、あなたには何も意味がない。たとえ敗北に終わったとしても、単に他を真似るのではなく、あなたが信じていることで戦うほうがいいのだ。

6.ドラッグの売人の方法は正しい

ドラッグの売人は、抜け目のないビジネスマンだ。彼らは、自分の商品がすばらしいこおを知っているので、先に少量を無料で提供する。あとで初期投資以上のものが戻ってくることわかっているのだ。

無料で提供することを怖がってはいけない。自らが提供しているものを信頼しよう。タダで与えたものは、それ以上になって返ってくるだろう。そう信じられなければ、まだ十分に質の高い製品を作っていないということだ。

7.文章力のある人を雇う

もし、先行の過程で誰かを雇うか決めかねているときには、文章力の有無は一つの大きな選考基準になるだろう。マーケターでもセールスマンでも、プログラマーでも、どんな職種でも、文章力は大きな要素となる。

文章力がある人はそれ以上にものを持っている。文章がはっきりとしているということは、考え方がはっきりしているということである。文章家は、コミュニケーションもわかっている。ものごとを他人に理解しやすいようにする。他の人の立場に立って考えられる。彼らは、何をしなくていいかもわかっている。そんな能力こと必要なはずだ。

良書を古本屋で見つける喜び

実は本書は最近古本屋で見つけたセール品のものだ。

しかし、最近読んだ本の中では確実に上位に入ってくる本である。

事業の成功のノウハウは数多くあるが、本書は特に小さなチームで最大の効果をあげるための著者らの実体験をまとめたものであり、理論ではない。

しかし、本書には我々が成功のために必要な大切なノウハウがまとまっていると確信している。

もし書店で見かけたら是非読んでおくべき良書であるので、手に取ってみて欲しい。

古本屋でこの本に出会えたのは幸運だった。

【さらに理解を深めるために】

『売上最小化、利益最大化の法則』木下 勝寿(著)ダイヤモンド社

『1万円起業』クリス・ギレボー(著)飛鳥新社

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